July 15, 2014 / 3:18 PM / 5 years ago

イエレン米FRB議長の議会証言要旨

[ワシントン 15日 ロイター] - イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は15日、上院銀行委員会で半期に一度の証言を行った。内容は以下の通り。 <政策見通し>

 7月15日、イエレン米FRB議長は、上院銀行委員会で証言を行った。写真はワシントンで15日撮影(2014年 ロイター/Kevin Lamarque)

2月の金融政策報告書以降、経済の健全性回復、および金融システム強化の面で一段の重要な進展が見られた。しかしながらがあまりに多くの米国民がなお失業から脱しておらず、インフレも依然長期目標を下回り、必要な金融改革の取り組みも途上にある。FRBはマクロ経済目標を達成し、一段と力強く耐性のある金融システムを実現するため、あらゆる資源と手段を活用することに引き続き注力している。

<労働市場の状況>

米連邦公開市場委員会(FOMC)は、議会から付与された二重の責務に基づき、最大雇用と物価安定を促進する政策にコミットしている。 経済状況を踏まえると、高水準の金融緩和政策は引き続き適切と判断している。

労働参加率は、高齢化や失業水準を踏まえ想定する水準よりもやや弱いようだ。労働市場に依然著しい緩みが残っていることが示唆されており、時給に関する大半の指標が引き続き弱い伸びにとどまっていることで裏付けられている。

<インフレ>

期待される労働市場の一段の改善と一致し、かつ長期インフレ期待がしっかりと抑制されているとみられる状況の中、インフレが今後数年でわれわれの目標である2%に向けて上昇すると予想している。

<経済成長>

第1・四半期の国内総生産(GDP)の落ち込みは、一部で今年の成長率見通しの下方修正につながった。ただ、緩和的な金融政策に加え、財政政策の足かせ軽減、住宅価格や株価上昇の遅延効果、他国の成長加速に支えられ、米経済活動は今後数年、引き続き緩やかなペースで拡大していくと、私と他のFOMC参加者は想定している。

<バブル、利上げによる経済への打撃>

(導入された規制は)リスクが表面化する確率を低下させるが、われわれはすべての資産バブルが表面化するリスクを見つけることはできない。

(資産バブル)対処に向け金利を大幅に引き上げれば、議会がFRBに付与している重要な目標達成という成果は損なわれるだろう。FRBが経済を弱体化させれば、全般的な金融安定リスクを軽減させることは不透明となり、コストを伴わないと考えるべきではない。

<数学的規則の特定>

機械的、数学的規則に従順するような中央銀行は世界中どこにもない。FRBに数学的規則を特定するよう求めるのは大きな間違いであって、もしFRBがそのようにしていたなら、経済状況はひどいものとなっていただろう。

中銀は制度的かつ予見可能な方法で対処しつつ、現在の行動および将来的な経済動向への対応に関する認識を説明することが肝心であり、この点こそ、われわれがフォワード・ガイダンスを通じて行おうとしていることに他ならない。

<財政政策の向かい風>

米経済は著しい向かい風に直面しているという見方に同意する。家計調査の結果を一例にとると、将来の家計や実質所得の伸びに対する見通しは著しく低迷しており、これが消費への圧迫要因になっていると私は考える。住宅市場では一時改善がみられたものの、現在は停滞しているようにみられる。

さらに、財政政策が景気回復の足かせ要因となってきたと考えている。金融政策はこうした足かせを相殺する必要があり、現在の緩和的な金融政策が必要となった一因となった。

景気は回復しつつあるが、景気が軌道に乗ったとしても、こうした逆風が完全に消失するというわけではない。

<利回り選好と金融の不安定>

低金利環境の下では一般的に、投資家による利回り選好が誘発されるが、これには良い面と悪い面がある。

一方で、景気回復を後押しするための健全なリスクテークが必要で、低金利には景気回復を支える上で前向きな効果があったと考えられるが、他方で、低金利は特にレバレッジドローンなど金融安定を脅かしかねない投資行動をも誘発する恐れがあり、注意しなければならないことは言うまでもない。

レバレッジドローンの引き受け基準は著しく悪化しているが、利回り選好の一環として捉えられ、われわれとしても規制手段を通じて対処しようとしているところだ。

<資産買い入れの今後>

資産買い入れは10月以降に終了する見通しだ。だが現在から10月までに見通しに著しい変化が生じ、何らかの理由で労働市場が改善している、もしくはインフレ率が2%に向けて加速するとの自信を失うような事態になれば再考する。

<利上げに関する長期計画>

利上げ時期が来たと判断した後も、金利が歴史的な正常水準に戻るまでにはかなりの時間を要すると思う。もちろん、われわれは経済回復が確実に継続するよう慎重である必要がある。

予め決められた道はない。状況が著しく変化したと判断すれば、変更の余地はある。

<賃金インフレ>

報酬や賃金の伸びは雇用市場が改善しつつあることを示す兆候だが、賃金は現時点でインフレを押し上げるほどの上昇ペースには至っていない。実際、実質賃金は生産性の伸びよりも遅いペースで上昇しており、これは国民所得の分配が労働力から資本にシフトしていることを示している。

全般的なインフレ圧力の形成を懸念する必要が出てくるまでに、賃金、および実質賃金には一段の上昇余地がある。われわれはこの点を注視している。

<FF金利管理補助としてのリバースレポ活用>

われわれは翌日物準備に支払う金利を主要手段とするとの方針を示してきた。翌日物リバースレポファシリティーは、フェデラルファンド(FF)金利の管理やFF金利のコントロールを向上させる上での補助手段と考えている。これまで実施した試験運用の結果から、効果的で有効な手段であることが分かっている。

だがこのファシリティーを過度に大きくしたり、重要な役割を担わせることには懸念がある。

<地銀出身者の理事起用義務付け案について>

地銀出身者を理事に任命する考えに対しては非常に前向きだ。しかしながら、これを法制化して義務付けることは支持しない。すべてのポストを特定の専門家に割り当てることになりかねず、懸念がある。

<長期失業>

長期失業者は依然として異例の高水準にとどまっており、深刻な懸念だが、労働市場が力強さを増すに伴い、改善していると思う。

<利上げ時期>

FOMCは最大雇用と物価安定に注目していく。利上げ時期について、公式や機械的な答えはない。経済動向、および多くの指標に基づきわれわれがこれをいかに判断するかに左右される。

<経済・利上げ見通し>

現時点でのわたしの見立てでは、(第1・四半期)国内総生産(GDP)の縮小はおおむね一時的と判断される要因によるものであり、経済の勢いを著しく過小評価していると考えられる。無論、われわれはこの点を注視する必要があり、実際にそうしている。

FRBとして金融政策に対するかなりの注意深さが必要だ。過去においては誤った夜明け(false dawn)ともいうべき兆候もうかがえ、成長が加速したり持ち直しに転じ、労働市場は一層急速に回復するものと期待されたが、その後、残念ながらそうした見方は過度に楽観的だったことが判明した。

われわれは状況を非常に注視しており、とりわけ短期翌日物金利がゼロとなっている今、われわれはこれ以上金利を引き下げることはできないことを踏まえ、利上げを検討する前に経済が底堅い道筋にあることを確実とするよう留意する必要がある。

*内容を追加して再送します。

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