[ベルリン 10日 ロイター] - ドイツ欧州経済センター(ZEW)が10日発表した11月の景気期待指数は39.0と予想以上の低下となった。新型コロナウイルスの流行第2波と感染抑制のための活動制限により景気見通しへの不透明感が強まった。
ロイターがまとめたアナリスト予想は41.7、前月は56.1だった。
ZEWのワムバッハ所長は発表文で「金融の専門家は新型コロナ第2波による経済への影響とそれがもたらすものを懸念している」とし、11月のデータは第4・四半期の景気減速を示唆する結果となったと指摘した。
また「独経済が再びリセッション(景気後退)に向かうのではないかとの懸念もある」とした。ただ、米大統領選と英国の欧州連合(EU)離脱を巡る問題で、独景気見通しはあまり大きな影響を受けていないとの見方を示した。
ZEWによると現況指数はマイナス64.3と10月のマイナス59.5から悪化した。市場予想はマイナス65.0だった。
新型ウイルス感染再拡大を受け、ドイツは11月2日にバーやレストランのほか、映画館やジムなどの閉鎖を伴う部分的なロックダウン(都市封鎖)を開始。感染拡大第1波を受けたロックダウン措置ほど厳しい措置ではないため、経済が第2・四半期のように壊滅的な打撃を受ける公算は小さいとみられている。
関係筋によると、政府の経済諮問委員会(5賢人委員会)の今年の独経済成長率予想はマイナス5.1%。6月時点の予想はマイナス6.5%だった。
諮問委の来年の成長率予想はプラス3.7%。従来予想はプラス4.9%だった。諮問委は11日に報告書を公表する。
*内容を追加しました。
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