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再送:インタビュー:課徴金2ケタ引き上げ、インサイダー規制の実効性担保を=松井証券<8628.T>社長
2012年5月8日 / 10:55 / 6年前

再送:インタビュー:課徴金2ケタ引き上げ、インサイダー規制の実効性担保を=松井証券<8628.T>社長

*このインタビューは8日午後7時54分に配信しました。

 [東京 8日 ロイター] 松井証券(8628.T)の松井道夫社長は、日本で表面化している増資インサイダー問題について、金銭面の罰則を大幅に強化する必要があるとの考えを示した。日本では課徴金の金額が少額で、実効性がないとの指摘がでている。一方、日本の株式相場は売買高の低迷やリスク回避の動きで冴えない展開が続くが、松井社長は団塊の世代などを中心とする個人金融資産をターゲットに商機を捉える考えをあらためて示し、そのためにグローバルなネットワーク構築も検討する。ロイターとのインタビューで語った。

 

 ただ、買収で企業を抱え込みコストをかけるより、独立した金融機関とのネットワーク構築で柔軟性を持つことが競争力の源泉になると指摘した。

 インタビューの主な内容は以下の通り。

 

 ──中央三井アセット信託銀行(現三井住友信託銀行)など、増資に関連し金融機関のインサイダー取引や事前勧誘が表面化している。

 

 「業界にとって極めて深刻な問題だ。自主規制の大切さを訴えたい。あのような経済犯罪に最も効果的なのは、金銭的なペナルティだろう。規範意識の薄い人に100回言っても効果はないが、彼らに一番効くのは金銭のペナルティだ。もっと徹底しなければ、われわれのベースになる土俵が崩れてしまう」

 

 「(金融機関にとっては)2─3億円の課徴金を納付しても、金銭的に痛くも痒くもない。金銭の処分の金額が2ケタ違うと思う。徴収した金額は、米国のように監視機関や自主規制機関の運用コストにあてればいい」

 

 ──欧州情勢は依然として不安定だが、日本のマーケットの展望は。

 

 「上がったり下がったりの繰り返しだろう。絶望が期待の生みの親。何回も期待を裏切られるうちにマグマがたまる。しかし確かなことは分からない。あまり決めつけない方がいい」

 

 ──マクロ経済の見通しをどうみるか。

 

 「再び1ドル80円割れの円高になったが、円安になると輸出産業に追い風で株高になるという発想から脱しなければ、日本の次のステップは踏めないのではないか」

 

 「日本の経済をリードした電機、鉄鋼などの分野は、韓国や中国などの競合に抜かれた。(日本の)製造業は中国などでの現地生産が進み、多国籍化も進み、為替などの旧来の物差しでは考えられない時代が到来している。円安がどうとか教科書的な発想から脱皮しなければ、日本は次の時代をつくれないだろう」

 

 ──今後、日本をめぐる環境をどうみるか。

 

 「製造業がすでにサービス産業化しているように、第三次産業に構造変換があれば、日本はすさまじい競争力を持つ国になる。いいか悪いかを選ぶのは消費者。消費者が主導権を握るサービス産業が芽吹いたら、素晴らしい競争力の源になるだろう」

 

 ──その中で日本の金融市場や証券会社はどうなるか。

 

 「たとえば10年前に電気自動車がこんなに普及するとは、誰も想像しなかった。恐らく10年後も同じように、予期せぬことが起きているかもしれない。これからの10年はこれまでの10年の3─4倍、過去の30─40年に相当するくらいの速さで流れるだろう。それほど第三次産業革命は怖いと思う」

 

 「価格の構成要素が変わり、人の感情など、比較できない要素を含み始める可能性がある。コスト競争力がつけば価格競争力が上がるかと言えば、そんなことはなくなる。価格とコスト競争力は分離されるだろう」

 

 ──そのような時代のなか、金融業はどうなるか。

 

 「いずれ、時代に合った新しい金融機関ができるだろう」

 

 ──その際、松井証券としてはどうするのか。

 

 「どこにおカネがあるか。カギを握るのは個人。対象はそこだということは確かだ。こと金融については団塊の世代のメンタリティーを知らないといけないだろう」

 

 「高度成長期のような右肩上がりで所得が伸び、物価が上がるインフレは起きないだろうが、(インフレになれば)個人は運用をどうしようかと考え、当然グローバルな投資になる。スタグフレーションの時に個人の行動は一気に変わる。おカネに国境はないので、日本のマーケットだけを考えなくてもいい。リンケージが大切になる」

 

 ──リンケージとは。

 

 「ネットワークを使うということだ。自分たちだけで全て囲い込むのは得策だと思わない。世の中の変化に応じてネットワークも組み替えればいい。抱え込めば巨大な費用がかかってしまう」

 

 ──買収などはしないのか。

 

 「買収の時代は終わった。総合的にやる必要はない。独立したところと(変化に応じて)組むフレキシビリティ(柔軟性)が競争力の源だろう。私は21世紀は大企業の時代ではなく、小さな企業がネットワークで結び付く時代になると思う。教科書にはどこにも載っていない」

 

 *インタビューは7日に行われました。

 

(ロイターニュース 江本 恵美、ネイサン・レイン、編集:吉瀬邦彦)

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