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長期金利は0.7%割れも、強力な金融緩和期待や世界景気懸念で強気継続=今週の円債市場
2012年11月18日 / 22:42 / 5年後

長期金利は0.7%割れも、強力な金融緩和期待や世界景気懸念で強気継続=今週の円債市場

 [東京 19日 ロイター] 今週の円債市場は堅調な展開が予想されている。次期首相の有力候補である自民党の安倍晋三総裁が掲げる経済・財政政策を織り込む、いわゆる「安倍トレード」を意識。特に、強力な金融緩和への期待から強気相場が継続し、中短期から長期ゾーンにかけて買われやすい。また15日にスタートした中国新体制の確立に時間がかかるとの見方から、中国の経済・財政政策の遅れによる世界経済への悪影響を懸念。欧州債務不安や米国の「財政の崖」問題の長期化なども加わり、世界的に安全資産の国債が選好されやすい。10年最長期国債利回り(長期金利)は7月に付けた年初来最低(0.720%)を下回り、0.7%割れを試す場面もありそうだ。

 

 国債先物12月限の予想レンジは144.40円─145.25円。

 10年物最長期国債利回りの予想レンジは0.750%─0.690%。

 

 12月4日告示、12月16日投票の日程で行われる衆議院選挙は、これまでの報道各社の世論調査などから自民党が勝利するとの見方が市場のメーンシナリオ。「自民・公明両党でどれぐらいの議席を獲得して、安定政権をつくれるか」(国内金融機関)に市場の焦点が移っている。

 前週の市場では、安倍総裁が15日の講演で、日銀による大胆な金融緩和の必要性に言及し、ゼロかマイナス金利にするぐらいにして貸し出しを高めてもらいたいと発言したことをきっかけに、相場上昇(金利低下)に拍車が掛った。16日に、国債先物中心限月12月限は一時144円73銭と2003年6月以来約9年5カ月ぶりの水準に上昇、10年最長期国債利回り(長期金利)は一時0.725%と7月に付けた年初来最低に迫った。仮に安倍政権がより安定的な政権基盤を構築することができれば、マイナス金利に言及した安倍総裁の政策に現実性が増すことになる。

 

 岡三証券・債券シニアストラテジストの鈴木誠氏は、選挙における第三極の協調体制がはっきりしない中で、新政権の枠組みを決め打ちするのは時期尚早としながらも、「安倍総裁が言及したマイナス金利の可能性を踏まえると、中短期にさらなる金利低下余地が出てくる可能性がある。徐々に長期にも低下圧力がかかるのではないか」とみている。

 

 日銀は19日と20日に日銀金融政策決定会合を開く。9月と10月の2カ月連続で追加緩和に踏み切っただけに、政策変更なしとの見方が多い。日銀総裁の会見で強まる日銀への緩和圧力に対する見解が注目されるが「前回の会合で、政府・日銀が共同でデフレ脱却に向けて取り組みについて声明を出したことから、その取り組みを強調することになるのではないか」(国内証券)との声が出ている。

 

 一方で、財政拡大への警戒感はぬぐえない。安倍総裁は講演で、財政政策について「来年度予算では景気刺激型とし、公共投資を増やす」方針を明言した。「公共投資増、国債増発圧力との連想が働けば、超長期ゾーンにネガティブ」(国内金融機関)という。ただ、今月に行われた40年債、20年債と行われた超長期国債入札は、いずれも投資家需要を確認している。超長期ゾーンはスティープ化圧力がかかりやすいが、その利回り上昇余地は限られるとの見方が出ている。

 

 引き続き、海外要因も注目材料だ。特に、上海総合株価指数.SSECが再び2000ポイント割れをうかがう展開となるなど中国リスクに対する警戒感がくすぶる。中国共産党は15日、習近平国家副主席を新たな総書記に選出した。しかし、新指導部は改革派が登用されず、江沢民前国家主席に近い人物で固めた布陣。「新体制の確立に時間がかかるとみられ、経済・財政政策の空白が長期化する可能性がある」(国内金融機関)という。また、引き続き、欧米財政問題の長期化で、世界景気先行きに懸念が広がりやすいため、リスクオフの流れから、日米欧の国債に資金が流入しやすい構図が続く見通し。

 

  (ロイターニュース 金利マーケットチーム)

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