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WRAPUP1: 長期金利上昇で黒田総裁が「弾力的」国債買い入れ表明=日銀決定会合
2013年5月22日 / 10:32 / 5年後

WRAPUP1: 長期金利上昇で黒田総裁が「弾力的」国債買い入れ表明=日銀決定会合

 [東京 22日 ロイター] 日銀は22日開いた金融政策決定会合で、2%の物価目標達成のため巨額の国債買い入れにより資金供給量(マネタリーベース)を倍増させる現行の「異次元緩和」政策維持を決めた。声明文で長期金利上昇への対策が盛り込まれていなかったため国債先物は一時急落したが、黒田東彦総裁は会見で「債券市場を注視」し「弾力的に国債買い入れを実施する」など市場安定化に向けたメッセージを強調した。

  <木内委員が物価2%は「中長期的目標」と提案>

 9人の審議委員が全員一致で政策の現状維持を決定したが、木内登英委員は2%の物価上昇率達成について「中期的目標とすべき」との議案を提出し反対多数で否決された。

 景気判断は5カ月連続で引き上げた。円安や株高が進み、消費者心理が改善して個人消費が伸びたほか、輸出が下げ止まっているため、景気判断は「持ち直しつつある」とし前回4月の「下げ止まっており、持ち直しに向かう動きもみられている」から上昇修正した。

  <債券先物一時急落>

 黒田総裁は就任前から金融緩和であらゆる年限の金利を下げると発信していたにもかかわらず、4月4日の異次元緩和公表以降、結果的に長期金利は上昇。このため市場参加者の間では公表文で長期金利安定を狙った文言が盛り込まれるとの期待もあったが、文言は記載されず、国債先物市場では中心限月の6月限が失望売りから一時141円60銭に急落する場面もあった。

 一方、黒田総裁は会見で長期金利の上昇は、物価・景気回復期待の要素もあるため、「日銀の国債買い入れによる効果を相殺して長期金利が上がることもあり得る」としつつ、「ボラティリティ(変動率)が過度に拡大することは回避しなければならない」と急激な上昇には対応する姿勢を示した。

 また「金利引き下げによる緩和効果は重要。引き続き尽力する」とし、金利上昇を容認してはないとの姿勢も強調した。

  <年50兆円の枠内で弾力的に国債買い入れ>

 具体的な対応策として、国債の買い入れオペ(公開市場操作)を「頻度やペースの調整、銘柄など弾力的に行う」とし、4月4日の政策公表資料には国債買い入れについて、本文で年間50兆円、脚注で毎月7兆円強と公表していたが、「年間50兆円のペースを変えず、その中で弾力的に対応する」と述べた。

 長期金利が0.92%まで急騰した5月15日に日銀が実施した1年物の固定金利オペなどを含め「弾力的にオペを実施」、「債券市場の動きを点検し市場参加者と密接に意見交換する」と述べた。

  市場では黒田総裁の発言について「今後、金利上昇を抑えていくことを引き続きやっていくとの姿勢を示した。一定の評価は得られたのでは」(みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジスト)との見方が出ている。

 一方、「金利急上昇に関して、あまりケアしていない面もうかがえる」、「株価は上がり続けているため、今の段階で日銀が長期金利に対して新たなオペレーションを実施しなくてはならない状況ではないとの判断のようだ」(JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジスト)との声も聞かれた。

  

 (ロイターニュース 竹本能文、伊藤純夫:編集 宮崎亜巳)

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