July 9, 2012 / 6:31 PM / 8 years ago

ECB利下げの銀行間融資促進効果は薄い公算、MMF・レポ市場には悪影響か

 [ロンドン 9日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は前週、主要政策金利であるリファイナンス金利を過去最低の0.75%まで引き下げたが、狙い通りにユーロ圏の銀行間融資が活発化する公算は小さいとの見方が出ている。

 

 通常なら利下げは、銀行間融資を促し実体経済への資金供給拡大につながるはずだが、債務危機をめぐる不透明感が利下げの好循環を断っており、大半の銀行は融資への消極姿勢を崩していない。

 またECBが下限金利の中銀預金金利をゼロに引き下げたことで、取引コストを補うだけの十分なリターンが得られないとの懸念も阻害要因となっている。

 マネー・マーケット・ファンド(MMF)セクターも例外ではなく、JPモルガン・チェース(JPM.N)、ブラックロック(BLK.N)、ゴールドマン・サックス(GS.N)は、欧州MMFでの新規顧客の受け付けを制限するなどの措置を講じた。

 

 JPモルガンのグローバルアセットアロケーション・代替投資部門マネジングディレクター、ニコラオス・パニギルツグロウ氏は「欧州MMFの資金流出は今後も続く可能性が高い。(中銀預金金利の)ゼロへの引き下げは、MMF業界にとってさらなる打撃となる」と述べた。

 資金流出がどの程度まで膨らむか推測することは困難としながらも、2008年以降、米国のMMF資金が合計34%流出していることを例に挙げ、「米国の経験に基づくなら、ユーロ圏ではさらに1500億ユーロ程度が流出する可能性がある」と述べた。

 その上で、流出資金の受け皿として、債券ファンドがその恩恵を最も受けるとの見方を示した。高利回りの社債やベルギー、フランスの短期債など、周辺国を除くユーロ圏債券を扱うファンドに資金が集まる可能性が高いという。

 

 ECB利下げによる影響を現段階で判断するのは時期尚早であるものの、アナリストはユーロ圏のレポ取引量が減少する可能性があると予想している。

 市場関係者によると、高格付けのドイツ国債を担保として借り入れを行う場合のレポ金利はこの日、全般的にマイナスとなった。つまり融資担保としてドイツ国債を要求する向きは、ペナルティーの支払いを余儀なくされることになる。周辺国国債への信頼感が低下しているため、レポ市場では周辺国国債を担保として受け入れることを敬遠し、現金確保に走る動きが出るとみられている。

 コメルツ銀行の金利ストラテジスト、ベンジャミン・シュローダー氏は「レポ市場の流動性が低下する危険がある」との見方を示した。

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