March 7, 2012 / 12:11 PM / 7 years ago

UPDATE1: 投信・投資法人法制のWG、一般投資家向け投信のリスク制約など議論

 [東京 7日 ロイター] 投資信託・投資法人に関する法制の見直しを議論するワーキンググループ(WG)の初回会合が7日、金融庁で開催され、投信関連としては、一般投資家向けに販売される投信のリスクに一定の制約を課すことなどを論点の一つに掲げた。一連の議論を通じ、投資家が安心して投資できるような環境を整備し、市場の活性化を促す狙い。2013年の通常国会に関連法案の提出を目指す。

 投資信託をめぐっては、運用益を超える分配金を出す投信が人気を集める一方、厳しい市場環境下で原資が圧迫され個人投資家のリスク許容を超えるような状況があるとの指摘も出ている。金融庁は、ファンドが増加・乱立する傾向にあるほか、配当利回りだけを追求しがちな一般消費者にも普及してきたと見ており、運用会社の商品組成方針・管理態勢や、販売会社の顧客管理態勢のあり方を議論する。6─7月に中間論点整理をし、年末に最終報告をまとめる。

 具体的な論点としては、国際的な規制の動向や経済社会情勢の変化に応じた規制の柔軟化として、1)ファンド間の併合や、一つのファンドに複数の報酬体系を導入することによる業務運営の効率化・柔軟化、2)外部委託による管理事務の効率化──を挙げた。

 一般投資家を念頭に置いた適切な商品供給の確保としては、1)投資家の商品内容などへの理解、関心を深める必要性、2)一般投資家に販売される投信のリスクについて、一定の制約を課すことの是非、が論点になるとした。

 一方、投資法人法制では、リーマンショック時に資金調達手段の制約の問題が顕在化したなどとして、資金調達手段の多様化による財務基盤の安定性向上や、投資家からより信頼されるための運営や取引透明性の確保などが論点だとした。

 投資信託は、2002年末に純資産残高が約43兆円だったが、11年末には約86兆円と増え、投資法人(J─REIT)をめぐっては、東証Jリートの売買高は02年の約2000億円が11年には約2兆9000億円へと拡大している。

 WGでの議論では「適切な商品」のあり方に重きを置いた審議がなされるべきとの意見や「想定される投資家が異なれば、求められる投資家保護や受益者保護のあり方も当然変わってくるのではないか」と、きめ細かな投資家保護を求める意見があった。

 WGで示された論点の中に、事業者のコスト削減につながるような提案も含まれていたことから「規制の柔軟化による利益は、最終的に受益者や投資家に還元されるよう制度的に保証されないとフェアでない。フェアでないビジネスに長期的な発展はない」との指摘もあった。

 一方、投資家と業者間のトラブルでは、証券会社や銀行の顧客対応が十分でないために問題が生じているケースが多々あるとして、制度の問題と区別して議論すべきとする意見や、「市場環境の短期的な変化が要因となっている問題と、より構造的な問題とを、注意深く切り分け、本来(投信が備える)いい機能がつぶされないか注意深く議論したい」と、慎重な検討を求める意見が出た。

 

 ◎投資信託・投資法人WGで提示された主な論点

 <投資信託>

 ・国際的な規制動向や経済社会情勢の変化に応じた規制の柔軟化。

 1)ファンド間の併合や一つのファンドに複数の報酬体系を導入可能とし業務運営を効率化・柔軟化。

 

 ―乱立する小規模ファンド間の併合を容易化するため、約款変更・併合手続きを簡素化してはどうか。

 

 ―報酬の柔軟化を可能とすべく、一つのファンドで異なる報酬体系を導入するための種類受益権を解禁してはどうか。

 2)外部委託による管理事務の効率化

 ―運用以外の管理業務(基準価格算定業務などを含む)の外部委託の可否や義務・責任関係について明文化する必要はないか。

 

 3)その他の規制柔軟化。

 

 ―複数の投資信託がある運用会社の投資信託財産間の取引は原則禁止されている。投資家保護上の問題がないものとして例外的に取引が容認されるケースを拡大してはどうか。

 

 ―現状、投資信託の設定で現物出資が容認される場合、すべて現物で出資する必要があるが、ETFの設定を弾力的にできるよう、現金と現物を組み合わせた「混合出資」を認めてはどうか。

 

 ―機関投資家などプロ専用の投信で、より積極的な運用を可能にするため、責任限定信託制度を導入し、実務上も借入を可能にしてはどうか。

 ・一般投資家を念頭に置いた適切な商品供給の確保。

 1)投資家の商品内容などへの理解関心を深める必要性。

 

 ―投資家にとって分かりやすい運用報告書にするための改善を含め、金融商品取引法上の開示規制と投信法上の開示規制との関係を整理する必要がないか。

 

 ―投資家がトータルリターンを把握できるよう、投資家ごとに基準価額と各投資信託への投資開始時からの累積配当・累積費用について定期的な通知制度を導入してはどうか。

 

 ―販売手数料や委託会社・受託会社・販売会社といった支払先別の信託報酬は開示されているが、使途を含め、その説明が不足しているのではないか。

 

 ―商品のリスクをわかりやすく表示する工夫が考えらないか。例:各投信のボラティリティを階級化して表示することなど。

 2)一般投資家に販売される投信のリスクについて、一定の制約を課すことの是非。

 

 ─一般投資家に販売される投資信託に限り、各投信が抱えるリスク量を制限することが考えられるか。

 

 ―外国籍投資信託のわが国への持ち込みについて、商品内容などの観点から、国内籍投信に求められる水準と同レベルのものに限るべきではないか。

 <投資法人>

 ・資金調達手段の多様化を含めた財務基盤の安定性の向上。

 1)投資法人の簡素なガバナンス構造・導管体としての性格を踏まえ、資金調達手段など資本政策の多様化。

 

 ―新たな資金調達手段として、ライツイシュー、転換投資法人債、種類投資口などが考えられるか。

 

 ―同様に、無償減資、自己投資口取得などは考えられるか。

 2)合併手続きの見直し。

 

 ―投資家利益に配慮し、簡易合併制度の利用基準を発行可能投資口基準から資産規模基準に見直してはどうか。

 

 ・投資家からより信頼されるための運営や取引の透明性の確保。

 1)運用や資本政策に関するガバナンス体制についての見直し。

 

 ―スポンサーから独立した意思決定確保のため、投資法人役員会によるチェック機能をより広く活用してはどうか。

 

 ―資本政策の多様化に当たって、既存投資家との利益相反性が高い場合、既存投資家保護のため、新たな手段実施では投資主総会決議について、みなし賛成制度の見直しは必要ないか。

 2)インサイダー取引規制の適用

 

 ―公正な市場取引担保のために投資口をインサイダー取引規制の対象とする場合、会社関係者の範囲や重要事実の扱いはどうするか。

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