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WRAPUP1: ECB、中銀預金金利のマイナス金利含む利下げ討議 来年初旬の緩和観測増大
2012年12月6日 / 18:52 / 5年後

WRAPUP1: ECB、中銀預金金利のマイナス金利含む利下げ討議 来年初旬の緩和観測増大

 

 ◎2013年ユーロ圏成長率見通しをマイナス0.9─プラス0.3%に引き下げ

 

 ◎ドラギ総裁、ユーロ圏成長見通しに下振れリスク存在すると認識

 

 ◎主要政策金利であるリファイナンス金利を0.75%に据え置き

 

 ◎中銀預金金利のマイナス圏への引き下げを討議

 

 [フランクフルト 6日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は6日の理事会で利下げの可能性について討議し、2013年のユーロ圏成長予想を引き下げた。これにより来年初旬にはECBが利下げに踏み切るとの観測が高まった。

 ECBは主要政策金利であるリファイナンス金利を0.75%に据え置き、下限金利の中銀預金金利もゼロ%に、上限金利の限界貸出金利も1.50%にそれぞれ据え置いた。据え置きは予想通りだった。

 理事会後の記者会見でドラギ総裁は、金利据え置きを決定する前に、幅広い議論が行われたと述べ、中銀預金金利のマイナス圏への引き下げについて討議されたことを明らかにした。

 同金利をマイナス圏に引き下げれば、銀行がECBに資金を預け入れる際にECBに利子を支払うことになるため、銀行融資促進効果があるとされている。

 

 ドラギ総裁は、政策金利について「幅広い議論が行われたが、コンセンサスは金利据え置きだった」と発言。決定が全会一致だった場合はその旨を明らかにすることが多いため、ドラギ総裁のこうした発言は、政策金利の方向性について理事会内で意見が分かれた可能性があることを示唆している。

 中銀預金金利のマイナス圏への引き下げについては、「新たなニュースはない。オペレーション上は準備できているが、議論はそこまで深まらなかった」と発言。「こうした措置に伴う複雑さや意図しない結果について簡単に触れたが、それ以上の詳細には踏み込まなかった」と説明した。

 

 ECBが発表したユーロ圏経済に関するスタッフ予想によると、2013年のユーロ圏域内総生産(GDP)伸び率見通しはマイナス0.9─プラス0.3%と、マイナス成長に陥る可能性が高いことが示唆された。前回9月時点の予想はマイナス0.4─プラス1.4%だった。

 2012年の成長率見通しはマイナス0.6─マイナス0.4%。9月予想はマイナス0.6─マイナス0.2%だった。中央値はマイナス0.5%と、前回のマイナス0.4%からやや引き下げられた。

 今回初めて示した2014年の見通しはプラス0.2─プラス2.2%とした。

 

 ベレンベルグ銀行のエコノミスト、ホルガー・シュミディング氏は、「ECBが示した予想が幾分落ち込み気味で、ECB声明のトーンが重苦しいこと、さらにドラギ総裁が利下げの可能性を含む『幅広い議論』が行われたことを認めたことを踏まえると、2013年初旬の利下げに含みは残されている」と述べた。

 

 景気見通しについてドラギ総裁は、「2013年中には、経済活動が緩やかに回復すると見込んでいる。これは世界の需要が持ち直すとともに、われわれの緩和的な金融政策スタンス、および金融市場における信頼感の著しい改善が経済に波及するためだ」との見解を示した。

 ただ「理事会は引き続き、ユーロ圏成長見通しに対し下振れリスクがあると考える」とし、「これは主に、ユーロ圏のソブリン債、ガバナンスの問題解決をめぐる不透明感に加え、地政学的問題や米国の財政政策の行方、民間投資や雇用、消費の回復が想定以上に遅れることによる潜在的な信頼感悪化に関連している」と述べ、米国で年明けに減税失効と歳出の自動削減が重なる「財政の崖」が回避されなかった場合、センチメントがより長期にわたり圧迫される恐れがあるとの懸念も示した。

 こうしたなかドラギ総裁は、主要リファイナンスオペの全額供給を少なくとも2013年7月まで継続する方針を示した。

 

 ユーロ圏は一段と深刻な景気後退に直面しており、またECBは2%を若干下回るとする水準をインフレ率目標としているのに対し、2013年のインフレ率予想が1.1─2.1%となっていることから、大きな利下げ余地が存在している。

 ただ、ユーロ圏17カ国の市場金利には大きな幅があるため、ECBは政策の伝達経路の修復に主眼を置いており、そのための方法としては、債券買い入れプログラム(OMT)の発動が効果的との見方が出ている。

 OMTの発動には当該国の政府が要請する必要があるため、ECBはまだ同プログラムの下での買い入れは開始していない。まずスペインが要請に踏み切るとみられているが、スペインのラホイ首相は、要請する前にECBの買い入れにより国債利回りが低下する保証が必要との立場を示している。

 これについてドラギ総裁は、「OMTの発動条件は非常に明解だ。交渉の余地はなく、特定の金利水準などに左右されることもない」とし、対象国の借り入れコストを引き下げる目標の設定はしないとの見解を示した。

 

 *ECBに関連するグラフィックはこちらをご覧下さい。

  link.reuters.com/juw29s

  link.reuters.com/neg32s

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