June 7, 2012 / 1:37 AM / 7 years ago

為替こうみる:米QE3は一概にドル/円の下押し要因になるとは言い切れない=三菱UFJ証 植野氏

 <三菱UFJモルガン・スタンレー証券 シニア為替・債券ストラテジスト 植野大作氏>

 足元でリスクオフが巻き戻されているが、本物かどうかは今後の欧州の取り組みにかかっている。ただ、不幸中の幸いというか、南欧諸国を中心にマーケットが混乱したことで、逆に危機意識が強まり、日米欧7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁が緊急電話会議を開催したほか、いますぐ稼働しないにしても欧州で銀行同盟の話も出てきた。前日の欧州中央銀行(ECB)理事会にしても、客観的に見ればゼロ回答だったが、その後のドラギECB総裁の発言でむしろ金融緩和カードを温存したという好意的な解釈も出ている。その意味では、あまりにも急激に株が売られ過ぎたり、リスクオフが強くなってマーケットが混乱したことで、政策対応への期待感が出てきているので、過度なリスクオフの巻き戻しが起きている。

 ドル/円については、政府・日銀による介入期待(懸念)が非常に強いことが相場を支えている。米雇用統計直後に77.66円付近まで急落した場面では、覆面介入の思惑が浮上したが、やはり78円割れの水準では介入要警戒の雰囲気がある。政府・日銀は前年11月1日から4日にかけて78円前後で1兆円程度覆面介入を実施したが、良くも悪くもこのときの記憶が残っていて、介入懸念で止まってしまう。加えて、いま風向きがリスクオンに向かってきてくれたので、クロス円にも支えられて79円回復という流れになっている。

 米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和第3段(QE3)が相場に与える影響については、一概にドル/円の下押し要因になるとは言い切れない。最近の動きをみると、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が利下げした後、豪ドル/円はむしろ年初来安値から4円も上がっている。前日のドラギECB総裁の発言にしても、もしも金融緩和カードを温存したというマーケットの解釈が正しいのであれば、ユーロが売られても良さそうだが、そうでもない。いまは金融緩和をすると、むしろそれが好感されてリスクオンになってしまう面がある。きょうはバーナンキFRB議長の議会証言が予定されているが、仮にFRBが6月連邦公開市場委員会(FOMC)でQE3をやるという感じになった場合には、ドル/円はいったん売られたとしても、FRBが思い切ってQE3に踏み込んできてくれたということで株が上がれば、むしろリスクオンでクロス円も含めて円安になる可能性がある。

    

 (東京 7日 ロイター)

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