December 7, 2012 / 8:12 AM / in 7 years

〔アングル〕中国の習近平総書記、ナショナリスティックな側面露わに

 [上海 7日 ロイター] 中国で習近平氏が新たな共産党総書記に就任して3週間。同氏は、前任の胡錦涛氏に比べて自信にあふれ、率直でリラックスした印象を与えている。一方、民衆の支持を獲得し、自身の正統性を裏付けるためにナショナリスティックな側面も露わになっている。

 習総書記は公の場で少なくとも2回、勇ましい言葉で「中華民族の復興」に言及。こうしたフレーズは、歴代の党トップ全員が口にしてきたものの、政治評論家のLi Weidong氏は、任期の初期に繰り返し言及していることについて、ナショナリズムを通じて「団結を生み出す」ことが狙いだと指摘する。

 政治ウォッチャーらは、習総書記の言葉は大半が国内向けだとするが、総書記就任以来、南シナ海や東シナ海において近隣諸国との間で緊張が高まるなか、懸念も生まれている。

 中国政府は6日、ベトナムに対し、南シナ海で領有権を争う海域における一方的な石油探査をやめ、中国漁船に対する妨害をやめるように要求。南シナ海の係争海域を自国領とするかのような新パスポートを中国が発行したり、中国海南省が外国船の取り締まり強化を図ったりしたことも近隣諸国との緊張が高まっている要因だ。

 どちらも習近平氏が総書記に就任する前に決まっていたものだが、同氏のナショナリスティックな発言について、ある中国駐在の西側外交筋は「タイミングは必ずしも良いとはいえない」と語る。

 複数の外交筋やアナリストらは、習氏の最近の発言が国内向けに演出されたものだとしても、政治的な戦略としてナショナリズムを利用することはリスクになると指摘。先の外交筋は「特に現在、中国は自信を強めており、近隣諸国の中には懸念が生じている」と述べた。

 <新たなスタンス>

 

 中国のアナリストらは、論争を呼んでいる新たなパスポートや海南省の取り締まり強化策について、どちらも習総書記が作ったものではないとして、近隣諸国はこれらを習総書記と切り離して考えるべきだ、と強調する。

 北京大学国際戦略研究センターの朱峰氏は「これら2つの出来事が中国政府の新たなスタンスを示しているとは思えない」と述べた。

 たとえ習総書記が域内において強硬なスタンスをとることに傾いているとしても、主要な政策、特に南シナ海のような敏感な問題に対する姿勢を変えるのは早すぎるとみられる。

 

 党総書記の前任者である胡錦涛氏は、来年3月まで国家主席にとどまる。

 米マサチューセッツ工科大学の中国問題専門家テイラー・フラベル氏は、このため、外交政策では胡錦涛国家主席の影響力がしばらく続くと指摘する。

 習総書記自身は、中国の軍事的台頭や強硬な外交姿勢に対する世界的な懸念を和らげるように努力しているかに見える。今月5日には北京で外国の科学者や学術関係者らと会談し、「中国の発展は私利私欲に走るものでも、他者の利益を損なって自らの利益とするものでもない」と表明した。

 

 北京在住の政治評論家Chen Ziming氏は、習総書記の最近の発言から総書記が強硬なナショナリストになると結論付けるのは時期尚早だと指摘。「たとえこの(発言の)シフトが変化の兆しであったとしても、変化の方向性は依然として不明確のままだ」と述べた。

 

 ( 記者 John Ruwitch Additional reporting by Terrill Yue Jones and Ben Blanchard in BEIJING;翻訳 川上健一;編集 宮崎亜巳)

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