December 7, 2012 / 8:12 AM / 7 years ago

米中の会計監査をめぐる対立、多国籍企業の監査に影響のおそれ

 [シンガポール/ニューヨーク 7日 ロイター] 米中の会計監査をめぐる対立により、中国で手広く事業展開している米企業の監査ができなくなるおそれがでてきた。

 米証券取引委員会(SEC)は3日、世界的な会計事務所の中国法人5社が中国企業の監査書類の提出を拒んだのは米証券法違反に当たるとして、5社の行政処分手続きに着手したと発表した。

 法律事務所ピルズベリーのパートナー、トーマス・シュースミス氏は「SECがこれら5社の監査を認めなければ、中国で大規模に事業展開している企業は監査法人を得るのが難しい、あるいは困難になるだろう」と述べた。

 ファストフードチェーンを中国で展開しているヤム・ブランズ(YUM.N)の広報担当者は、「米政府が認める監査法人が中国に基本的にいなくなることになる。外交的解決が必要で、状況を注視している」と述べた。

 建機大手キャタピラー(CAT.N)も「両国の法制や規制の相互の尊重と理解」に基づく問題の解決が望ましいとの見解を示している。

 中国で事業展開している多国籍企業は、ビッグ4とよばれるデロイト、KPMG、プライス・ウォーターハウス・クーパーズ(PwC)、アーンスト・アンド・ヤングの大手会計監査法人の中国法人を監査に利用している。

 SECが行政手続きを進めようとしているのはこれら4社の中国法人とBDOの5社。中国の秘密保持に関連した法律を盾に監査書類の提出を拒んだ。大手監査法人は、ある国での問題が同じグループの他国に波及することを防ぐため、各国で法的には独立した法人として組織していることも、SECによる追及を難しくしている。

 

 この問題で米当局と中国の証券監督管理委員会(CSRC)は協議を続けてきたが、合意には至っていない。シェパード・マリン・リヒター・ハンプトン(北京)の弁護士、ジェームズ・ジンマーマン氏は「SECとCSRCが合意形成に失敗した場合、米国は別の面での協力を遅らせたり阻害すると中国は考えるだろう。そうなると報復合戦となる」と述べた。

 米公開会社会計監視委員会(PCAOB)の規定によると、企業の連結資産あるいは売上高の20%以上を監査する法人は、同委員会に登録する必要がある。ヤム・ブランズのほか、半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)AMD.Nも売上高の5分の1以上を中国であげている。

 外交的な解決に失敗した場合、SECは問題となった法人に米企業の監査を行わないよう指導せざるを得ず、PCAOBへの登録が抹消されることになると専門家は指摘する。そうなると多国籍企業は監査報告を提出できなくなるおそれがある。

 ただ多くのアナリストは、SECが行政処分に着手する前に何らかの解決策をみいだすとの楽観的見方を示している。

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