◎ポラリスCEO、日本で近くETFを上場する方針を表明
◎日本の次は上海でのETF上場も視野に
[東京 10日 ロイター] 台湾のポラリス・インターナショナル・セキュリティーズは海外市場でのプレゼンス拡大を模索しており、同社設定の上場投資信託(ETF)を近く日本で上場させる方針だ。Tsung Sheng Liu社長兼最高経営責任者(CEO)が9日、ロイターとのインタビューで明らかにした。
日本のETF市場はアジア最大ながらここ数年は伸び悩んでいる。しかし、Liu氏は、同社の日本でのETFの規模が今後3年間で最高1億ドルに拡大する可能性があるとの見方を示した。
「日本のETF市場の見た目と見通しは依然としてかなり魅力的で、われわれの目には有望に映る」と指摘。これは主として、市場に厚みがあり、保険会社、マーケットメーカー、投資家など、市場参加者が多岐にわたっていることが理由だと説明した。
ただアナリストは日本のETF市場について、従来からの投資商品に固執する傾向があり、大手機関投資家をうまく市場に呼び込めていないとみている。
また、売り手が手数料の高い投信の販売に力を入れているため、個人投資家の需要掘り起こしでも苦戦が続いている。
Liu氏は、日本でのETF上場がアジアでのポラリスの注目度を高めるとも述べた。日本の次は上海でETFを上場する可能性があるという。ポラリスは台湾最大手の資産運用会社で、運用資産額は67億5000万ドル。
日本では、流通・販売に関する提携会社を探した後にETFを東京証券取引所[TSE.UL]に上場させる見通しとしている。
ポラリスのETFの具体的な上場日程は決まっていないが、東証の新規上場部門担当者は、ポラリスが「可能な限り早く」ETFを上場できるよう、支援していくと語った。
同社は現在、旗艦ファンドである「ポラリス台湾トップ50トラッカー・ファンド」を含め、11のETFを提供しているが、海外ファンドは香港で上場している1ファンドのみ。
ポラリスのETFの運用資産額は総額43億ドルで、日本を除くアジアでは上から4番目。
Liu氏はポラリスが昨年の70%成長に続き、今年は約10─20%の成長を目指していることも明らかにした。
また、日本でのETF上場によって日本のプレーヤーが台湾に関心を持ち、いずれ台湾でETFを上場するよう期待していると語った。
東証のデータによると、日本の取引所に上場されているETF数は2007年以来、10倍に膨らんでいる。
(インタビュアー:程近文 吉池威)
(ロイターニュース;翻訳 関佐喜子;編集 田中志保)