November 21, 2012 / 12:51 PM / 7 years ago

再送:〔アングル〕公明党が「日銀の国債引き受け」発言に待った、自民党も現実路線に軌道修正

*この記事は21日午後9時48分に配信しました。

 

 [東京 21日 ロイター] 政府・民主、日銀に次いで、公明党も安倍晋三自民党総裁が主張する「日銀の国債引き受け」に待ったをかけた。中央銀行の独立性と財政の信認をゆるがし、経済への悪影響が懸念される強硬論に慎重な対応を求めた。こうした動きを察知してか、安倍総裁は政権公約発表の記者会見で自身の発言を軌道修正した。

 

 ある関係筋は、財政法上の「禁じ手」との批判ラッシュに「軌道修正に追い込まれた」とみる。まして既に始まった票読みで自民党の獲得議席数は200議席前後。比較第1党は可能ながら単独過半数には届かず、公明党との連立は避けて通れない情勢だ。その公明党からも「直接引き受けは論外だ」(石井啓一政調会長)と厳しい声が上がった。

 

   <公明も重点政策に物価目標設定>

 

 石井氏は21日、ロイターの取材に「市場を経て国債を出すからこそ、金利で国債の信用が図れる。直接引き受けになれば、財政規律が決定的に損なわれ、金利は跳ね上がる」と懸念を示し、現実的な対応を求めた。

 

 17日に公表された公明党の重点政策(マニフェスト)では、デフレや円高克服に向け、防災・減災ニューディールで需要を創出、成長戦略で2年以内にデフレから脱却し、実質2%程度、名目3─4%の経済成長を目指す方針を明記した。金融政策の強化も掲げ、「一定の目標年次を定めて1─2%程度の物価水準を達成すること」を盛り込んだが、自民党に比べればマイルドだ。

 石井氏は「われわれは物価目標はやるべきと考える。2%程度をターゲットとした物価目標を設定し、政府・日銀が協定を結ぶ。政府と日銀が政策的に物価水準の目標を共有することが重要で、必ずしも日銀法改正が必要だと思わない」と指摘。物価目標の達成には政府・日銀双方が責任を負うとし、総裁の解任権についても「そこまで果たして必要なことかとの印象を持つ」と語った。

 

 もっとも、日銀に対しては「デフレ克服までは金融緩和を続けるということだ」と指摘。これまでの金融政策については「小出し小出しだ。日銀の小心さが出ている」と苦言を呈し、「買い取り資産の多様化や、国債の残存期間の工夫」など検討の余地があると提言している。

 

 安倍総裁は21日午後、衆院選で掲げる政権公約の記者会見で、日銀による建設国債買い入れ発言には、市場でオペを通じて行うことを述べたもので、直接引き受けを言ったわけではないと説明。「日銀が買いオペで市場から買う。直かに日銀が買うことを言っているわけではない」と軌道修正した。同席した甘利明政調会長も、政府・日銀の連携強化の仕組みとして「日銀法改正も視野」とした日銀法改正議論について「物価目標ができなければ総裁のクビを取れというようなことは考えていない。日銀の独立性は確保していく」と明言し、政治介入の批判をかわす柔軟姿勢に転じた。

 

  <選挙後、あらためて自民党議連の日銀法改正案が俎上に>

 

 自民党の日銀法改正議連(安倍晋三会長)は4月に日銀法改正案をまとめ、財金部会に改正案を提出している。参議院側の意見集約を行った佐藤ゆかり議員は政権公約に日銀法改正が盛り込まれたことで、総選挙後に「新しく党内手続きで、議連の改正案をもう一度了承すべくかけるか、党内手続きの議論が生じるだろう」と見通す。

 改正案ではインフレ目標の数値は明記されていないが、政権公約に盛り込まれた2%は規定路線だという。さらに、目標設定では「達成すべき時期を明記すること」も求めている。また、「目標に定められた時期に現実の数値が当該目標の数値と著しく異なると認める場合においては、両院の同意を得て、総裁・副総裁または審議委員を解任することができる」との解任規定も盛り込んでいる。為替対策として「介入ではなくデフレ対策としての通貨売買は日銀が直接できる」項目も追加した。

 

 根底には金融政策が不十分との思いがある。佐藤氏は「米連邦準備理事会(FRB)も欧州中銀(ECB)も金融政策の主要な考え方は、無制限緩和、無期限緩和が主流になりつつあり、日銀は逸脱している。日銀は基金は増加させるというが、輪番オペによって保有した国債の償還分を乗り換えですべて買い入れていない」と指摘した。

 衆院選後も、来年の日銀総裁人事を控え、日銀法改正の火種は残りそうだ。

 

 (ロイターニュース 吉川 裕子:編集 石田仁志)

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below