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ドル/円は値固めか、指標や米要人発言で日米の金融政策スタンスの違い再確認へ=今週の外為市場
2012年3月18日 / 22:37 / 6年後

ドル/円は値固めか、指標や米要人発言で日米の金融政策スタンスの違い再確認へ=今週の外為市場

 [東京 19日 ロイター] 今週の外国為替市場で、ドル/円は値固めとなりそうだ。日米の経済指標や米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの発言から日米の金融政策スタンスの違いを確認しつつ、次の展開を模索することになるとみられている。手掛かり材料に欠ければ、フロー主導の相場展開になる可能性もある。急ピッチの上昇への警戒が根強い半面、ドル/円の下落は限定的との声が多い。ユーロは、ユーロ圏の材料というよりもドルや円の値動きに左右されそうだ。

 予想レンジはドル/円が81.50─85.50円、ユーロ/ドルが1.2900─1.3200ドル。

 

 前週、ドル/円は上昇基調を一段と強めた。13日、日銀の金融政策決定会合後の会見で白川方明総裁が緩和スタンスを堅持する姿勢を示すと、ドル/円は急ピッチで上昇を開始。同日公表されたFOMC声明文では追加緩和に関する具体的な示唆がなされず、「日米の金融政策スタンスの方向感の違いが明確になった」としてドル/円はさらに上昇した。米金利が大きく上昇するなか、ドル/円は15日に一時84.18円を付け、2011年4月13日以来の高値となった。

 今週は、日米の金融政策の方向感の違いを日米の経済指標やFOMCメンバーの発言をもとに確認していく展開になるとみられている。

 経済指標では、22日に日本の2月貿易収支が発表されるほか、米国では2月住宅着工件数(20日)などの住宅指標、週間新規失業保険申請件数(22日)が発表される。ロイターが民間調査機関の予測をまとめたところでは、2月貿易収支(原数値)の予想中央値は1200億円程度の赤字(前年同月は6503億円の黒字)となった。1月は中国の春節休暇の影響で過去最大の赤字を記録。2月はその反動で赤字幅が大幅に縮小する見通しだが、日本の貿易赤字の縮小傾向を受けた円高進行シナリオよりも、市場予想よりも大幅な赤字を記録した際の円安シナリオへの警戒感がなお強い。

 <FOMCメンバーの発言で米金融政策の今後を読む>

 16日の午後には、ラッカー・米リッチモンド地区連銀総裁の発言でドル/円が上昇に転じた。ラッカー総裁は「2013年には金利引き上げが必要になる可能性が高いと現在は考えている」と述べ、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利上げ再開が意識された。ラッカー総裁は、今回のFOMCで「2014年末まで超低金利政策を維持することは経済状況からみて正当化されない」と主張。投票権を持つメンバーの中で唯一議決に際して反対票を投じ、タカ派と目されている。

 19日にはニューヨーク連銀のダドリー総裁の発言が予定されている。ダドリー総裁はハト派に属し、FOMCの副議長としてバーナンキFRB議長に近いとされる。同総裁の発言を受けて、FRBの追加緩和観測が再び強まるかが焦点になる。今週はバーナンキFRB議長がジョージワシントン大学で講義を行う(20日、22日)が、大学での講義とあって市場参加者の注目度は低い。

 <「マクロ指標よりも需給」との見方も>

 「マクロ指標よりもどんなフローが出てくるかに注目している」(バークレイズ銀行・トレーディング部の小川統也ディレクター)――年度末が迫り、市場では需給主導の相場展開を見込む向きがある。「リパトリ目的の円買いが今年はこれから出てくる可能性もある」(大手邦銀)との見方も聞かれた。急ピッチすぎる円安の進行を目の当たりにして円買いをいったん手控えた参加者が、3月末に向けて動きを強めるシナリオが描かれている。半面で、投資家のヘッジ外しに伴って円安圧力がさらに強まる展開も予想されている。経済指標や要人発言が出ても手掛かり材料にならず、ドル/円の値動きが落ち着いた場合には、異なるベクトルのフローの力関係が相場のトレンドを決めることになりそうだ。

 <ドル/円は82円ちょうどが下値支持線に>

 

 ドル/円は前週の始値82.55円を上回って16日のNY時間の取引を終え、週足チャートで6連続陽線を形成した。それだけに、市場ではドル/円の騰勢維持に疑念を抱く参加者が多い。しかしながら、利益確定のドル売り・円買いが先行しても深い調整局面になると想定する参加者が大勢を占めている訳でもない。9日に80―82円のレンジを脱し、上値追いとなったことで、今度は82円ちょうどが下値支持線として機能するとみられている。

 <ユーロは主体性のない値動きか>

 前週はドル/円が騰勢を強めたが、ユーロは対円で上昇する一方で対ドルでは下押された。ユーロ圏の財政問題国に関する警戒感がユーロの重しになるとの見方は根強く、ユーロの本格上昇は見込まれていない。今週も、ドルや円の動向がユーロ/円、ユーロ/ドルの方向感を決めるとみられる。

 前週の円安トレンドには、日経平均株価の終値ベースの1万円台回復に象徴される、各国の主要株価指数の堅調な推移による投資家のリスク許容度の改善も一役買った。今週は株高基調の持続性にも注意を払う必要がある。この点では、原油価格の動向や欧州関連のニュースに警戒する必要がありそうだ。

 (ロイターニュース 和田崇彦)

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