May 15, 2012 / 1:27 AM / in 7 years

WRAPUP1: JPモルガン<JPM.N>、巨額損失問題でCIOが辞任、オバマ大統領は規制改革の必要性強調

 

 ◎JPモルガン・チェース(JPM.N)、巨額損失問題を受けアイナ・ドルー最高投資責任者が辞任すると発表。

 

 ◎グローバル・フィクストインカム部門責任者のマット・ゼームズ氏が後任に。

 

 ◎ダイモン最高経営責任者や専門家、損失額は30億ドルを上回る可能性があると明らかに。

 

 [ロンドン/ニューヨーク 14日 ロイター] JPモルガン・チェース(JPM.N)は14日、 ヘッジ戦略の失敗で巨額の損失を出した問題を受け、アイナ・ドルー最高投資責任者(CIO)が辞任すると発表した。後任にはグローバル・フィクストインカム部門責任者のマット・ゼームズ氏が就任する。

 ダイモン最高経営責任者(CEO)は、今後数カ月で問題のポジションを解消するのに伴い、損失は30億ドル超に達する可能性があると明らかにした。

 

 一方、オバマ大統領は、小規模な金融機関で同じような問題が起きた場合、政府の介入が必要になる可能性があるとの認識を表明。

 米連邦準備理事会(FRB)は、JPモルガンが他の部門でも同じようなトレーディング戦略をとっていないかどうか調査していると明らかにした。

 この問題をめぐっては米証券取引委員会(SEC)が調査に乗り出しているほか、米上院でも公聴会が開かれる予定。

 

 複数の関係者はロイターに対し、取引に関わったドルー氏ら幹部3人が辞任する見通しだと話していた。残る2人の幹部、アキレス・マクリス氏とハビエル・マルティン・アルタホ氏の進退についてJPモルガンは言及していない。

 JPモルガンはまた、トレジャリー・アンド・セキュリティーズ・サービス(TSS)グループの責任者であるマイク・カバナー氏が巨額損失問題への対応を統括する幹部チームを率いると発表した。

 

 ドルー氏は30年にわたりJPモルガンに在籍。同行幹部によると、ドルー氏が率いたチーフ・インベストメント・オフィス(最高投資戦略室)は債券の信用度に絡むデリバティブ・ポートフォリオの運用に失敗した。

 かつてJPモルガンで自己勘定取引を担当していたあるヘッジファンド・マネジャーはJPモルガンのチーフ・インベストメント・オフィスについて、独自にポジションを取り、ごく限られた上級幹部しかその大規模かつ複雑なエクスポージャーについて知らされていなかったと指摘。チーフ・インベストメント・オフィスは自己勘定取引部門とは完全に切り離され、いずれの部門も互いの帳簿には関知しなかったとし、こうした慣行はバランスシート・リスクの縮小に対するJPモルガンのコミットメントと相容れないものだったと述べた。 さらに「すべての活動はニューヨークに報告され、ニューヨークが各戦略に資金を配分した。こうした決定がロンドンで行われなかったことは間違いない」と述べた。

 ダイモンCEOは10日に損失発生を明らかにした際、同行として調査を続けており、関与した人物には処分を課す方針を示していた。

 

 <規制当局も関心>

 

 一方、オバマ米大統領は14日、ABCの番組「ザ・ビュー」に出演し、JPモルガンの損失問題は米金融規制改革の必要性を示していると指摘。「JPモルガンは、資産運用に最も優れた米銀の1行で、トップのジェイミー・ダイモン氏も非常に有能なバンカーだが、それでも、彼らは20億ドル以上の損失を出した。すべての詳細はまだ分かっておらず、調査が行われるが、このことは、われわれがなぜ米金融規制改革法案を通過させたかを示している」と語った。

 FRBのスポークスマンは、JPモルガンがそれ以外にも同じようなトレーディング戦略をとっていないかどうか調査しているとともに、JPモルガンのリスク管理手法についても調査しているを明らかにした。

 ただ、FRBスポークスマンは、ストレステストの結果を見ると、JPモルガンはより大幅な損失を被っても、支払能力を維持できるとの認識を示した。

 通貨監督庁(OCC)も損失について調査していると発表。OCC報道官は声明で「今回の予想外の損失につながった特定の取引や、リスク管理のプロセスをめぐる詳細を解明するため、OCCは銀行関係者や、そのほかの規制当局の担当者と連携している」としている。 一方、損失が同行の安定を脅かすとは、考えていない、と強調した。

 

 <格付けにも影響>

 

 また、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは14日、JPモルガン(JPM.N)の巨額損失は、同行の社債保有者にとりマイナスとの認識を示した。ムーディーズのアナリスト、ピーター・ネルビー氏は、格付け見通しに関する週報で、巨額損失は同行の社債保有者にとり「クレジットネガティブ」と指摘した。

 ムーディーズはJPモルガンの信用格付けを「Aa3」としている。 同行は、ムーディーズが現在、格下げ方向で見直しを行っている国際的な金融機関の1つ。

 

 フィッチ・レーティングは11日、巨額損失を受け、JPモルガンの信用格付けを「AAマイナス」から「Aプラス」へ1段階引き下げた。

 またスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、JPモルガンの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げている。

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