December 19, 2011 / 10:27 AM / 8 years ago

再送:〔表〕市場関係者12人の為替予想=2012年為替見通し

*この記事は19日午後7時27分に配信しました。

 [東京 19日 ロイター] ロイターが調査を実施した市場関係者12人の2012年の為替予想平均レンジは以下の通り。

          

        ドル/円           ユーロ/ドル    

        73.00―82.83円        1.22―1.46ドル  

 ●三菱東京UFJ銀行シニアアナリスト 内田稔氏

 ドル/円   75─84円    

 ユーロ/ドル 1.20─1.35ドル  

 2012年のドル/円は、大幅な日米金利差の拡大が期待しにくいため、ドル高/円安は抑制されよう。米連邦公開市場委員会(FOMC)が決定した通り、米国では2013年半ばまで低金利政策が続く可能性が高い。また、過去のドル/円の安定的な上昇の条件だった実質金利も、足元では円が高い。逆転するためにはかなりのドルの名目金利の上昇が必要になる。

 ただ、円を取り巻く需給も変化しつつある。東日本大震災以降、本邦の貿易収支は大幅に悪化しており、本邦の貿易収支が常に黒字であるとの予断はもはや禁物だ。このため、実需筋の円買い圧力が和らいでいる。一方で本邦企業による直接海外投資の活発化が予想され、円売りが誘発される可能性が高いだろう。このため、ドル/円は徐々に下がりにくくなり、80円台を回復する可能性があるだろう。

 今年は欧州中央銀行(ECB)などが金融引き締めを実施する一方で米国は金融緩和策を講じてきたことがドル安をもたらした。しかし、ここにきて金融政策の軸足は世界的に金融緩和に移っており、ドルだけが下がる環境ではない。さらに、欧州債務危機が深刻化するとドル資金への需要が高まるため、ドル/円は底堅く推移しよう。

 ●JPモルガン・チェース銀行チーフFXストラテジスト 棚瀬順哉氏

 ドル  69―80円

 ユーロ 1.20―1.40ドル

 2012年初めは景況感悪化や欧州財政問題を背景にリスク・オフの方向にバイアスが掛かりやすいと予想するが、その後は景況感の改善や欧州財政問題が改善することで、徐々にリスク・オンの流れが強まっていくとみている。こうした中、年初はリスク・オフの中でドルと円がいずれも買われ、ドル/円がレンジ取引となる一方、クロス円が全般的に下落する展開となりそうだ。その後はリスク・オンの流れの中でドルが主要通貨に対して全般的に下落し、ドル/円はドル安主導で下落基調をたどることになるだろう。

 2012年に円高バイアスが強まる理由として、世界的な低金利環境の下で円キャリートレードの魅力が相対的に低下していることや、各国中央銀行による外貨準備のシフトに伴う円買いが挙げられる。

 市場では、円よりもファンダメンタルズ(経常収支、対外ポジション)が弱いドルの短期金利がゼロになっているため、ドルの方が資金調達通貨として広く用いられるようになっている。さらに、世界の外貨準備に占める円のシェアは近年徐々に上昇しているが、依然その水準は低く、さらなる円買いの余地がある。

 また、欧州財政問題を受けて市場で不安定な状況が続くなか、本邦投資家は一段とリスク回避志向を強め、海外資産を売却して資金を国内に回帰させるか、少なくとも為替リスクをヘッジするために外貨売り・円買いを膨らませる可能性がある。

 ●シティバンク銀行チーフFXストラテジスト 高島修氏

 ドル  72―82円

 ユーロ 1.20―1.35ドル

 ユーロは現状の危機状態が続くわけではなく、ユーロのクラッシュは想定していない。危機は基本的に金融緩和で乗り切るしかないため、ユーロの上値も限定的となるだろう。

 ドル/円については大きな動きがないとみている。米国の利上げは相当先まで見込めない。日銀は景気のダウンサイドリスクを意識しており、再緩和の可能性もある。一方、日本の国際収支は悪化している。

 こうした環境で、市場で円高圧力が高まれば、介入によってドル/円の下値が支えられる展開を予想する。

 ●みずほコーポレート銀行マーケットエコノミスト 唐鎌大輔氏

 ドル  74─83円

 ユーロ 1.23─1.36ドル

 米連邦準備理事会(FRB)が低金利を維持するとしている「2013年半ば」を超えて2014年を迎えるに当たっても、現状の低金利は変わらない。引き続き金利差からの継続的なサポートが得られない以上、ドル/円は70円台の時間帯が支配的。年央にかけてFRBの追加緩和観測が高まる可能性はある。これも「米金利低下→ドル売り」を惹起しやすい。こうした米金利先安観の定着に欧州債務問題の落ち着きが重なれば、「キャリートレード」が取り沙汰される局面が来る。この際、ファンディング通貨としてはドルが、ターゲット通貨としては新興・資源国通貨がいつも通り選ばれる。こうした状況下、ドル/円は新安値をつける可能性がある。時期的には欧州安定メカニズム(ESM)稼動問題が落ち着き、FRBが追加緩和を模索しそうな年央(6─8月期)ごろか。ただし、欧州債務問題の落ち着きが得られなければ「悪いドル高」が続き、ドル/円も底堅い。EMS問題をうまくまとめられなければ、本格的なドル安相場は1年中来ない可能性もある。この際、ドル/円も底堅くなろう。80円タッチもあり得る。

 欧州債務問題については、2012年はベストシナリオでも「現状維持」で、メーンシナリオは「悪化」と考える。重債務国が欧州連合(EU)/国際通貨基金(IMF)に対し金融支援を要請するという動きは2012年も見られると予想する。2012年上半期、市場の注目はESMの実効性に集まる。円滑に進めばユーロ相場が対ドルで1.30ドル台後半、対円で110円を目指すようなことがあり得る。逆にもたつくようであれば、1.30ドル割れ、100円割れ定着となり得る。どちらかと言えば、ユーロ/ドルは1.30ドル割れ、ユーロ/円は100円割れが定着する動きとなる可能性が高い。

 ●三井住友銀行市場営業推進部チーフストラテジスト 宇野大介氏

 ドル  60―80円

 ユーロ 1.285―2.5ドル

 

 主要通貨の地盤沈下が進むと予想する。特に基軸通貨としてのドルの地盤沈下の影響が大きい。為替市場における「有事のドル買い」は今や「有事のドル売り」へと変質し、基軸通貨発行特権を有する米国の覇権の揺らぎを表している。こうした中、ドルの「オーバーハング」は確実に進行し、諸外国は、ドルを持ち過ぎる居心地の悪さからドル資産保有を減らし、バランスを保とうとする動きを強めるだろう。この結果、円、ユーロは買われやすい状況が続くとみている。

 米量的緩和はリスク資産への資本流入を促し、株高・商品相場高をもたらしたが、経済の体温計であったはずの株価を歪め、実体経済とかい離した指標にしてしまった。米国は来年量的緩和第3弾(QE3)実施に追い込まれ、ドルはさらに大量増刷されるだろう。この結果、ドルは価値尺度、基軸通貨としての能力を次第に失うことになるだろう。

 11月の大統領選を控えるオバマ政権は、東アジアという輸出先を貿易連携協定で確保したが、米製品の競争力を担保するためにドル安政策継続が必要と考えているだろう。 これは危険な賭けであり、ドルのオーバーハングが意識される中で、海外投資家による大量ドル資産処分の引き金になりかねない。ドル/円の年間の下値メドは60―65円、上値は80円程度とみている。

 一方、ユーロは財政問題が昨年半ば以降噴出したが、独仏は目先の損失を許容し、ユーロの価値を維持する方向で協力するだろう。ユーロはトランス・ナショナリズムに基づいたブロック化の試みであり、この新たな価値観は、旧価値観の地盤沈下が予想されるなか、優位性を獲得するだろう。この観点から、ユーロが最も強く、円がその次に強く、ドルが最も弱いという構造が定着すると予想する。

 ●バークレイズ銀行チーフFXストラテジスト 山本雅文氏

 ドル  75─80円

 ユーロ 1.20─1.35ドル

 来年は年初から、米国を含む世界的な景気減速への懸念が残存する中で米国の追加量的緩和期待がくすぶり、ドル安圧力が続いてドル/円相場は再び75円を試す展開が続こう。ユーロ圏債務問題に関する十分な対応策に向けた合意の遅延も、市場のリスク回避を通じて円高圧力となる。もっとも、結果的に米経済は緩やかながら回復が続くことが確認され、米長期債利回りやドルを大きく押し下げるような追加緩和は必要ないとの認識が広がるにつれ、ドル/円相場は年末にかけて80円への緩やかな回復基調に入るだろう。この過程で、ドル円相場は再び米長期債利回りあるいは日米金利差との順相関を取り戻していくだろう。ユーロ圏債務問題は不安定要因だが、対応策が少しずつながら進展を見せていることは、不透明感後退を通じて円安要因となろう。

 ユーロ圏債務問題については、一朝一夕に実現できるものではなく、今後数年にわたり残存するが、ユーロ圏が財政規律強化に向けた制度整備を行い、IMFなど国際社会から資金を取り付け、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の十分な拡大を通じて安全網の構築に成功したり、将来的な財政統合に向けた明確な道筋が示され、それまでのつなぎ的な措置としての位置付けが明確にされた上でECBの積極関与が行われるようだと、ユーロ圏債務問題は市場の焦点から徐々に外れてこよう。これにより、既に悲観シナリオを相当程度織り込んでいるユーロ相場は、ポジション調整から一時的に持ち直す可能性がある。もっとも、ECBはユーロ圏の他地域対比

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