December 19, 2011 / 9:47 AM / 8 years ago

再送:〔情報BOX〕一体改革成案具体化の論点

*以下の記事は19日午後6時47分に配信しました。

 [東京 19日 ロイター] 政府は今年6月にとりまとめた社会保障と税の一体改革に関する成案をもとに、消費増税の素案を年内をめどにとりまとめる。6月の成案を具体化する作業となるが、主な項目の論点、関連発言などは以下のとおり。

 

  <消費税>

 1)税率の引き上げ(時期、幅など)

   ◎2010年代半ばまでに段階的に消費税率(国・地方)を10%まで引き上げ(成案)

  

   論点:一気に引き上げるか、2段階など段階的に引き上げるか。引き上げの時期をどのように素案や大綱に、盛り込んでいくか。

  

  「13年10月以降に1回目の引き上げをして7─8%に、そのうえで15年4月か10月に10%へ引き上げる」(五十嵐文彦財務副大臣、11月21日の講演) 

 

  「一般論で言うと、毎年1%ずつ上げる手法が経済に対する影響は一番低い。半面、事務負担の影響は、特に中小企業に大きな影響が出る。一部政府の要人が2段階を指摘したが、党内の意見はまだそこまで至っていない。一気に5%という意見もある」(藤井裕久民主党税制調査会長、12月15日のインタビュー)

 

 2)経済条件

  ◎名目・実質成長率など種々の経済指標の数値の改善状況を確認しつつ、東日本大震災の影響などからの景気回復過程の状況、国際経済の動向などを見極め、総合的に判断するものとする。(成案)

 

   論点:リーマンショック時のような緊急時に限って引き上げを中止とるする緊急制限的な措置とするか、GDP2%以上などの数値目標を明記するか。数値目標のハードルが上がれば、消費税引き上げは事実上、不可能となる。

 

  「実際に国民に負担をお願いする際には、経済の状況を慎重に見極める必要がある」(野田佳彦首相、12月9日会見)

 

  「リーマンショックがそのまま前例になるかは別として、諸般の状況をみなながら、非常に大きな影響が出た時には、仮に法律に書いてあっても是正することはあり得る」

  「(条件に具体的な経済指標を入れることは)出来るわけがない。経済は生き物だ。おそらくGDP成長率を挙げているのだろうが、ダメだ」(藤井裕久民主党税制調査会長、12月15日のインタビュー)

 

  

 3)逆進性問題への対応

  ◎消費税率(国・地方)が一定の水準に達し、税・社会保障全体の再分配を見てもなお対策が必要となった場合には、制度の簡素化や効率性の観点から、複数税率よりも給付などによる対応を優先することを基本に総合的に検討する(成案)

 

  論点:軽減税率を適用するか。給付付き税額控除の導入を行うか。行う場合の時期(税率10%の段階か、10%を超えてからか)は。

 

  古川経済財政相「2010年代半ばに(税率が)10%となった段階には給付付き税額控除を間に合う形で考えていくべきと思っているが、その前の段階で消費税という税の世界のところで逆進性対策を入れる必要はないのではないか」(12月2日会見)

 

  五十嵐財務副大臣「10%までの段階では軽減税率には否定的な意見が強い」(12月12日会見)

 

 4)国と地方

  ◎現行の消費税収についてはこれまでの経緯を踏まえ、国・地方の配分と地方分の基本的枠組みを変更しないことを前提。引き上げ分の消費税収(国・地方)については国と地方の役割分担に応じた配分を実現すること(成案)  

 

  論点:消費税を10%に引き上げた際の増収分の配分問題。地方は単独で行っている社会保障サービスは6.2兆円(2010年度)と主張。政府は地方が行っている社会保障サービスのうち消費税配分対象範囲を3.8兆円と提示。地方は上積みを要請。

 

   「国と地方の配分の問題は、この先いろいろなことを調整したうえで、最後のところで話し合わなければならない問題だ。予断を持ってこうするという話まで、私のなかでは至っていない」(安住淳財務相、12月16日会見)

 

 5)その他

  ◎社会保障・税に関わる共通番号制の導入を含む納税環境の整備を進める(成案)

 

  論点:共通番号制の導入の実現、いつから開始か。

  

  「今回の改革では、番号制度が一つの大きな考え方になる。次の国会に法案を提出できるよう備えたい」(古川経済財政相、12月16日会見)

 

  2015年1月の開始を盛り込み。来年の通常国会に法案提出へ。(政府の共通番号制度に関する実務検討会)

 

  <社会保障>

 

 ◎改革全体を通じて2015年度に充実による額3.8兆円程度、重点化・効率化による額▲1.2兆円程度をめどとして機能強化(充実と重点化・効率化の同時実施)による追加所要額(公費)は約2.7兆円程度と見込まれる。(成案)

  

 論点:民主党内の議論で国民の負担増となる重点化・効率化の部分は先送りが目立つ。3.8兆円の充実策と1.2兆円の効率化で2.7兆円の機能強化を図るという社会保障改革のバランスは保てるか。

 

 前原誠司民主政調会長「仮に効率化が行われなかった場合は、その見合いで充実の部分も落としてほしい。つまり効率化をしないで充実だけやることのないように、差し引き消費税1%分、2.7兆円でまとめてほしい。ということはお願いしている」(12月13日)

 

  <社会保障改革の議論の例>

 

 *長期療養患者の負担軽減の財源として外来患者に1回100円の定額追加負担求める案。追加負担で公費1300億円を浮かす予定(重点化・効率化項目)

   厚労省案「来年の通常国会の法案提出に向けて引き続き検討」

   民主党部門会議案「反対意見多数」→見送りの方向

 *70─74歳の窓口負担引き上げ(重点化・効率化項目。本来20%だがいま10%に据え置かれている)

   厚労省案「来年の通常国会の法案提出に向けて引き続き検討」

   民主党部門会議案「来年先送り」→見送り

 

 *公的年金が本来より高い水準で支給されている問題(重点化・効率化)

   政府の社会保障骨子修正案「12年10月から14年度までの3年間で解消」

 

  「年金で物価スライド特例がある。年金WTは3―5年で解消するということになっている。政府は、もう少しはっきりしたいと。おそらく3年ということで固まりそう」(大久保勉民主政調副会長、12月13日)

 

 *最低保障年金(充実項目)

   政府の社会保障骨子修正案「最低保障年金導入など新たな制度改革関連法案を13年の国会に提出」

 

 

 <消費税引き上げ分の使途>

 5%引き上げの場合、そのうち1%相当は消費税引き上げに伴う社会保障支出などの増加に、3%分は機能強化(制度改革や高齢化進行などに伴う増と年金の国庫負担2分の1)に、1%は後世代につけ回しをしている機能維持にかかる費用に充当(成案)

 ↓

 政府提出関連資料(12月14日)

 消費税引き上げの増収分(5%分)約13兆5000億円の使途。

 消費増税による社会保障支出などの値上がり分に2兆3000億円、高齢化に伴う社会保障費の自然増に2兆9000億円、基礎年金の国庫負担50%への引き上げ分で2兆8000億円、年金や医療の充実(制度改革)などで2兆7000億円。既存の財源不足を国債などで充当し、後世代につけまわしている部分の穴埋め(機能維持)に2兆8000億円。

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