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〔情報BOX〕オリンパス<7733.T>の第三者委員会、一問一答
2011年12月6日 / 10:43 / 6年後

〔情報BOX〕オリンパス<7733.T>の第三者委員会、一問一答

 [東京 6日 ロイター] オリンパス(7733.T)の損失隠しを調査した第三者委員会(甲斐中辰夫委員長)による記者会見での主な一問一答は以下の通り。

 ──前監査役の山田秀雄氏、前副社長の森久志氏は「損失とばし」の工作を自ら忖度(そんたく)して実行したのか、菊川剛前社長や下山敏郎元社長からの指示があったのか。

 「特定の誰かに指示を受けて検討したのではない。(アクシーズ・ジャパン証券社長だった)中川(昭夫)氏などと相談したようだ」

 ──岸本正壽元社長や菊川氏、下山氏の関与や指示はない。

 「(誰かが)命令して、検討を開始したわけではない。ただ(森氏・山田氏が)自分たちがこういうアイデアを出しこういうことをするとは、上司に報告している」

 ──岸本氏は、損失隠しを知らなかったとの認識だと報じられているが、第三者委の報告書では、(森氏・山田氏が)岸本氏に了承を得たとの認定になっている。

 「捜査が始まっているので、具体的には申しあげにくい。当然、山田氏・森氏は了承を得たと話しているし、客観的な証拠も若干あるので、岸本、菊川の両名が認識し、一緒に共謀し、話し合ってやったとは認定できるはずだ」

 ──具体的には。

 「外国銀行と『損失分離スキーム』を作り、ファンドに流す金を捻出(ねんしゅつ)するには、いろいろな契約をしないといけない。一種の裏契約だ。それに署名している。(岸本氏と菊川氏の)両人だ」

 ──金額については自宅PCにあった数字(を基に認定した)とのことだったが、誰の自宅PCか。

 「個人の名前を申し上げることはできない。定期的に菊川・岸本氏に隠れた運用状況について実際の数字を報告している報告書があり、きちんと宛名があった」

 ──森氏・山田氏のどちらかのPCか。

 「一般論で言えば、森・山田氏の2人だけで何から何までやるわけにいかない。手伝っている人もいる。そういう人たちもヒアリングの対象としている」

 ──社内か。それとも社外か。

 「これ以上は、常識でわかると思う」

 ──11月7日に森氏・山田氏が本当のことを話すようになったとの説明だが、きっかけは何か。

 「私(甲斐中委員長)が直接ヒアリングしていないのでよくわからないが、第三者委員会が立ち上がって、本格的なヒアリング開始して、というようなこと。それから、一部報道ではいろんな報道もされた。いろんなことが、この人たちの心境に変化をもたらしたと思う」

 ──2人同時に(話すようになった)というのは、2人の間で相談があったということか。

 「恐らくそうだと思う」

 ──再発防止策について。現執行部は当面の間は続けていきたいとの認識だ。報告書で「しかるべき時期に交代すべき」とのしかるべき時期とはいつか。

 「これはしかるべき時期としか言いようがない。今、全員辞めて経営陣が誰もいなくなるのは非現実的だ」

 ──元社長のウッドフォード氏が問題を指摘したことで解任された。当時の取締役たちが問題に向き合わなかった責任はどう考えるか。

 「今、われわれが委嘱を受けているのは、一連の不正経理についての会社側の対応だから、ウッドフォード氏が問題点を指摘して解職されたのは個人的に残念だが、それに対して(当時の取締役に)どういう責任があるかは、われわれの委嘱事項を外れているのでコメントを控える」

 ──損失隠しを2000年前後に始めてから10年程度経た08年にM&A(合併・買収)をし(損失の穴埋めを画策し)た。このタイミングになった理由は何か。

 「08年という年度に必然的な理由はないと思う。(オリンパスが投資活動で相談していたグローバル・カンパニーの)横尾宣政氏がこれを持ち込んできた。国内3社(のM&A)の問題もジャイラス(のM&A)の問題も、たまたまその時期になったと認識している」

 ──これだけの巨額の損失を長期間にわたり隠し通せた最大の理由は何か。

 「トップ主導でごく一部の人間だけが不正経理を預かって、人の異動がその間、ほとんどなく、一部のグループだけが秘密を共有し、そういう人間だけが優遇された。こういう体質だった。それが一番大きかった。やり方ももちろん巧妙だった」

 ──ウッドフォード氏が指摘しなければ、こういう状態は隠し通せたということか。

 「先のことはわからない。ただ、ウッドフォード氏の指摘がきっかけになったことは事実」

 ──日本の現行の法制度の下では、こうした事例は今後も起こり得ると考えるか。

 「日本だけの問題ではないと思う。世界中どこでも起こり得ると思う」

 ──(債務超過に陥っていた)カネボウの粉飾決算と比較した場合、オリンパスが(長期にわたり損失隠しできたのは)業績が良く利益を上げる体質になっていて見えにくいとの側面があるか。

 「表に出すには、今まで粉飾していたことに対する責任が当然問われる。それなりの覚悟も必要だと思う。そういうことも、ひとつの契機になったのではないか」

 ──第三者委は、オリンパスが債務超過(に陥った時期があったと)の認識はあるか。

 「今わかっている事実は、先ほど申し上げた通り。隠れ債務などはないとのことだが、今回の不祥事の発覚が会計上どういう影響を及ぼすかは、税効果会計などいろいろ問題がある。それは監査法人が一生懸命調べているので、そちらに任せたい。われわれはそこまで調べることは委嘱を受けていない」

 ──報告書で、旧経営陣の一新について言及があり「不正経理に多少なりとも加担した役員」との指摘がある。誰のことか。

 「具体的な人間は想定していないが、不正経理をするには、いろんなことをしないといけない。銀行との連絡などある。3人の下にいて、一緒に不正経理に加担した人たちという意味だ。具体的な名前は申し上げられない。それは今後、会社が法的責任を追及する過程で明らかになると思う。捜査機関が動いている」

 ──「15分程度の会議で問題案件を処理した当時の取締役」とあるが「当時」とはいつか。

 「2008年から09年にかけてとか、その辺り。そういう読み方をしてほしい」

 ──先日、ウッドフォード氏が辞任した。現在の取締役の体制は交代すべきとの考えはあるか。

 「今の人がどうこうとは申し上げかねる。報告書にある通り、問題案件を処理するときの当時の取締役は、しかるべき時に交代すべきと考えている」

 ──「損失分離スキーム」における報酬は誰にいくら支払われたのか。

 「具体的に誰にいくらということは、はっきりつかんでいない。海外の銀行への調査が絡んでいるので、われわれには把握できない部分がある。このため、相当な金額が流れているのは間違いないが、額は特定していない」

 ──森氏・山田氏が着服していないか。

 「ヒアリングや調査をしたが、そういう事実は見当たらなかった」

 ──オリンパスの幹部が、利益なりをポケットに入れたかどうかの調査はどのようにしたのか。

 「ヒアリングが中心だ。個人の銀行(口座の)調査をする権限はない。強制捜査権限をもつ機関が捜査すること。われわれがヒアリングをした限りでは、金の流れを調査する過程では、個人的な着服は見当たらなかった」

 ──下山氏は当時、認識していたか

 「いつまで社長していたか。94年であれば、98年ごろから受け皿ファンド作りをしているので、その前に辞めているなら、いわゆる『損失分離スキーム』に加担していることはないと思う」

 ──横尾氏、中川氏、アクシーズアメリカの佐川肇社長などへの報酬は違法行為への支払いになるか。

 「彼らは正当な報酬だと言っている」

 ──彼らにもヒアリングしたのか。

 「大部分はした」

 ──横尾氏、中川氏、佐川氏にか。

 「佐川氏は所在不明だが、その他の人はヒアリングした」

 ──正当な報酬だとの主張か。

 「という考え方だ」

 ──正当な金融スキームだと。

 「スキームは正当かどうか知らないが、やったことに対する報酬だと」

 ──それに対する第三者委としての考えはどうか。

 「正当ではないのではないか」

 ──いくら支払われたか。

 「個人にいくらかはわからない。(損失分離スキームで用いられたファンドの)アクシーズジャパンやアクサムには金が行っているのは断片的に拾える。それが個人に行っているのか、どこに流れたのか、はわからない」

 ──アクシーズへの報酬はいくらか。

 「はっきりしているのは、アクシーズアメリカに24億円。中川氏に関係しているファンドに11億円残っているはずだということ。そこまでは分かっている」

 ──(指定暴力団など)反社会的勢力への資金流出はなかったという根拠はあるのか。

 「いろいろなファンドに金が流れている。その過程で反社会的勢力が受け取っているルートはなかった。いろんな(関連する)組織について、ある程度警察にも照会して教えてもらっているが、そういう調査結果でも、反社勢力に金が流れた事実は見当たらなかった」

 ──損失処理にかかわった人間は、報告書にあるように山田氏、森氏、下山氏、岸本氏、菊川氏、当時経理部長だった太田稔氏の6人だということか。

 「6人は、ということ。(6人に)限るとはしていない」

 ──山田氏・森氏がスキーム考えて主導したとのことだが、損失を隠した動機は何か。

 「損失が巨額だったからだと思う」

 ──本人たちが金融資産の運用を任されていて、責任を感じたからか。

 「責任を感じてかはともかく、巨額だから表に出しづらかっ

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