December 14, 2012 / 9:32 AM / 6 years ago

UPDATE2: S&Pジャパンに業務改善命令、格付け業務の管理体制に不備=金融庁

 [東京 14日 ロイター] 金融庁は14日、信用格付け大手のスタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン(S&P)による信用格付け付与の業務管理体制の整備が不十分で金融商品取引法に違反したとして、再発防止策の確実な実施・定着などを求める業務改善命令を出した。証券取引等監視委員会が同日、行政処分の勧告をしたことを踏まえた措置。

 金融庁による格付け会社への行政処分は初めて。先進国の格付け会社に対し、本業での行政処分が出るのも初めてと見られ、極めて異例だ。

 金融庁による処分では、再発防止策を確実に実施・定着させることや、実施状況・実効性の検証結果を定期的に報告することを命じた。初回報告を1月18日とし、それ以降、四半期末経過後15日以内に報告させる。金融庁幹部は、提出された再発防止策について「一定の自浄作用発揮がみられるが、実施・定着することが重要だ」と指摘している。金融庁幹部は、日本以外のS&Pの業務体制に対する評価についてのコメントは控えたが、再発防止の取り組みには米国本社も協力する姿勢だとした。

 格付会社の検査は2010年4月から順次実施しており、大手5グループ7社への検査は一巡する見込み。S&Pの体制不備は、今年5月からの監視委の通常検査の過程で明らかになった。

 監視委の検査では、S&Pが付与した信用格付けについて検証や更新を適切・継続的に実施するための業務管理体制の整備が不十分だと認定した。 

 同社は、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を束ねて組成したシンセティックCDO(SCDO)を構成する参照債務のクレジットイベントの発生状況の確認や、累積損失額の把握を適切にしていなかった。このため、長期間にわたり誤った信用格付けを付与し続けていた。また、システムへの金額の誤入力によって格下げをしなかったこともわかったが、その後も対策を講じなかった。

 一方、付与した格付けの公表プロセスを適切に規定しておらず、社内で決定された格付と異なる格付が公表された事例も確認された。

 短期格付けを付与していないA社の格付けとしてA社の関連会社の短期格付けを公表したほか、ストラクチャード・ファイナンスに関連した格付けで旧格付け欄に誤った格付けを記載したり、CDOの格上げ公表の英語版の資料でのみ誤った格付けを公表したりした。

 金融庁によれば、S&Pは公表の誤りに最短1日、最長で1カ月程度で気付いて見直し、その旨をすでに公表済み。

 S&Pは同日、顧客や市場関係者に迷惑をかけたことを陳謝するとのコメントとともに、代表取締役の月額報酬の半減(3カ月間)と関係した役職員の減給処分を発表した。監視委から指摘された問題点については、再発防止策をまとめ金融庁に報告したほか、策定した再発防止策の実効性を定期的に検証するとしている。

   (ロイターニュース 平田紀之;編集 吉瀬邦彦)

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