May 17, 2012 / 12:16 AM / 7 years ago

UPDATE3: 1─3月期GDPは年率4.1%の高い伸び、政策効果で内需底堅く

 [東京 17日 ロイター] 内閣府が17日に発表した2012年1─3月期国民所得統計1次速報によると、実質国内総生産(GDP)は前期比プラス1.0%、年率換算プラス4.1%と、高めの成長となった。11年10─12月期はタイ洪水や海外経済の減速などで外需が足を引っ張ったが、1─3月期は輸出が回復したほか、自動車販売や高齢者消費などの好調を背景に、個人消費の伸びが際立った。復興需要は公共工事にようやく表れ始め、成長を下支えしている。設備投資は前期の反動減で2期ぶりにマイナスとなったが、内需の底堅さに支えられた。

 実質成長率は2011年10─12月期が前期比プラス0.03%に上方修正された結果、3期連続のプラスとなった。名目成長率は2期ぶりのプラス成長。内外需寄与度がそろってプラスとなったのも2期ぶり。

 

 <内需は個人消費がけん引、外需寄与もプラスに>

 

 寄与が最も大きかったのが民間最終消費支出だった。伸び率は前期比プラス1.1%となり、昨年7─9月期の震災の反動を除けば、2009年10─12月期の同1.4%以来、2年ぶりの高い伸びとなった。プラスは4期連続。うるう年効果で1日分の上乗せが押し上げた。加えて第4次補正予算で昨年12月末に復活したエコカー補助金で自動車販売が増加したこと、震災後の萎縮・自粛ムードの減退、高齢者中心に旅行などサービス消費の好調が複合的に作用した。

 

 前期マイナスだった外需寄与度もプラス0.1%に反転。2期ぶりにプラスとなった。タイ洪水や海外減速で前期に落ち込んでいた輸出が、同プラス2.9%に回復。タイ洪水の影響のはく落や米国経済中心に世界経済が持ち直したことが影響した。数量ベースでは米国向けが伸び、他の地域向けを補った形だ。品目では電子通信機器・自動車が伸びた。輸入も同プラス1.9%と引き続きLNG輸入を中心に伸びているが、輸出の回復がこれを上回った。

 ただ、内需のもう一つの柱である設備投資は前期の反動減で、前期比マイナス3.9%と2期ぶりにマイナスとなった。機械類・電子通信機器などの減少が響いた。

 

 <復興需要、徐々に顕現化>

 

 復興関連の需要は、公的需要を押し上げている。公共工事など公的固定資本形成は前期比プラス5.4%と3四半期ぶりにプラスに転じ、昨年4─6月以来の高い伸びとなった。復興計画が徐々に工事契約に結びつき、数字となって表れたきた。一方で民間住宅着工は前期比マイナス1.6%。すでに着工ベースでは被災地を中心に堅調な伸びとなっているが、進捗ペースのGDP統計にはこれから表れてきそうだ。

 

 <デフレ圧力続くが緩和方向に、GDPデフレータは13期ぶりプラス転化も>

 

 GDPデフレータは前年比マイナス1.2%となったが、前期比ではプラス0.02%と2008年10─12月期以来、13四半期ぶりにプラスに転じた。野菜など生鮮食品価格の上昇などで、民間最終消費支出デフレーターがプラスに転じたことが影響した。前年比では依然としてマイナスを維持したが下落幅は縮小。デフレ圧力は続いているが、緩和の兆しも見て取れる結果となった。

 <11年度はゼロ成長、震災後も悪材料重なる>

  

 同時に発表された2011年度のGDPは前年度比マイナス0.01%。大震災のに落ち込みから夏場にV字回復したものの、秋には世界経済減速とタイ洪水に見舞われ、その反動で再び浮上するという浮き沈みを繰り返してきため、年度を通すとゼロ成長という結果となった。

 名目ではマイナス1.9%と、実質・名目とも再びマイナスに転じた。マイナス成長は2年ぶり。

 GDPデフレーターは前年度比マイナス1.9%と、1955年の統計開始以来、2番目に深いマイナス幅を記録した。過去最大の下げ幅は、2010年度のマイナス2.0%。

 

 <市場は「悪くない」との見方、先行きには慎重さ変わらず>

 市場関係者は1─3月期GDPについて、悪くない数字との見方をしているが、先行きについては、欧州情勢の混乱などを受け、なお慎重な見方を変えていない。SMBC日興証券チーフ債券ストラテジストの末澤豪謙氏は、実質GDPが前期比プラス1.0%と、市場予想をやや上回ったことについて「公共投資がそこそこ出てきたことで、復興需要が徐々に顕在化し始めたということだろう。また、1─3月期は為替相場が円安に動く場面があり、少しだが在庫投資を積極化したものと思われる」と分析。そのうえで先行きについて「欧州財政不安が深刻化し、為替相場が円高に振れているため、4─6月は外需などは弱めになる可能性があるとみている」としている。

 一方、三井住友信託銀行マーケット・ストラテジストの瀬良礼子氏は、GDPデフレーターのマイナス幅が縮小していることに注目。「日銀が目指している消費者物価(CPI)前年比上昇率1%にはまだ遠いが、方向として近付いているのが確認されたのは多少良かった」という。ただ、これを受けた日銀の政策スタンスについては「日銀の金融緩和スタンスは全く変更ないだろう。米国の後になると思うが、日銀はいずれ追加緩和に踏み切るのではないか」とさらなる金融緩和を見込んでいる。

 

 (ロイターニュース 中川泉、石田仁志、基太村真司、吉川裕子)

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