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コラム

コラム:ロックダウンで急成長の米ズーム、「勝利」の立役者は

[ニューヨーク 3日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米ビデオ会議サービスのズーム・ビデオ・コミュニケーションズZM.Oは、新型コロナウイルス感染拡大阻止のためのロックダウン(封鎖)からとてつもない恩恵を受けている。それだけではない。米アマゾン・ドット・コムAMZN.Oからの素早く、かつ大規模な、ある「出前」のおかげでもあるのだ。

6月3日、米ビデオ会議サービスのズーム・ビデオ・コミュニケーションズは、新型コロナウイルス感染拡大阻止のためのロックダウン(封鎖)からとてつもない恩恵を受けている。写真は4月、バルセロナでズームを使ったクラスに参加する生徒たち(2020年 ロイター/ Albert Gea)

ズームは現在、時価総額約600億ドル。2-4月期決算は驚くほどの好調で、売上高が前年同期比169%も増加し、純利益も急拡大した。ズーム自身にもきちんとは予測不能だった需要の急成長に対し、ジェフ・ベゾス氏の会社から数千台ものサーバーを連日借り増していくことができたのが、好決算が可能になった一因だ。

ズームのサービスの利用がソーシャルディスタンス(社会的距離)やテレワークのおかげでどれだけ急速に伸びたのかを把握するのは難しいだろう。しかし、最も良い指標はたぶん年間総利用時間(分表示)の変化だ。同社は今年1月末時点でこれを年間計1000億分としていたが、今や2兆分を超える勢いという。

これほどの伸びに自前で対処することはできなかっただろう。エリック・ユアン最高経営責任者(CEO)は今回の決算のアナリスト電話会議で、アマゾンのクラウドサービス、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)に謝意を示した。ある時期には数日間連続で1日当たりのサーバー増強規模が数千台に及ぶことがあったという。

こんな適応性は割に高くつく。それだからこそ、ズームは向こう数四半期で自前のデータセンターを複数つくり、粗利益を向上させると表明したのだ。

それに、目下の幸運がどれだけ長く続くかは分からない。世界各国はロックダウンを解除しつつあり、つまりはズームの伸びが鈍るか、あるいはリアルな会議が復活していけば、先行きは尻つぼみになる可能性さえある。

ズームの株価は現在、来年1月に終わる通年売上高見通しの30倍を超える水準まで買われている。株価の年初来の上昇率は200%以上だ。投資家が、ズームは顧客を現状のままつなぎ留められるし、もっと増やしさえできると見込んでいるということだ。これは、難しい命題だ。マイクロソフトやスラック・テクノロジーズ、他からも追い上げを受けているからだ。

ただ、少なくともアマゾンからのタイムリーなサーバー能力の納入がなければ、ズームの今の有利な足場はなかっただろう。ロックダウンでのもう一人の勝者はジェフ・ベゾス氏とも言える。

●背景となるニュース

*ズームが2日発表した2-4月期決算は、売上高が前年同期比169%増の3億2800万ドルだった。普通株に帰属する純利益は2700万ドル。前年同期は20万ドルだった。

*通期(2020年2月-21年1月)の売上高見通しは約18億ドルで、3月時点の予想の約2倍に引き上げた。

*エリック・ユアン最高経営責任者(CEO)はアナリスト向け電話会議で「当社の需要が増大して、我々にはその伸びの見極めが追い着かなかったときに、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が迅速に対応してくれた。我々が必要になった新しいサーバーの大部分を使えるようにセットしてくれた。それはときに、数日間連続で1日当たり数千台を増やしていくという事態にもなった」と語り、AWSに謝意を示した。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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