NY市場サマリー(10日)米国株大幅反落、ドル下落、利回り低下

<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して下落し、中でも安全資産とされるスイスフランに対しては10年ぶりの安値を付けた。市場はトランプ米大統領による関税一時停止を消化している。
前日に米ドルは安全資産であるスイスフランと日本円に対して急反発したが、この日はトレーダーらがポジション調整を行った。
ドル/円<JPY=EBS, opens new tabは2%下落し144.795円。ドル/スイスフラン<CHF=EBS, opens new tabは3.6%下落し0.82635フランとなった。対フランの1日の下げ幅としては2015年1月以来最大となる見込み。
今月に入って、ドルは対円で3.46%、対スイスフランで6.5%近く下落している。
ユーロ/ドル<EUR=EBS, opens new tabは約2.47%高の1.1221ドル。一時は23年7月以来の高値を付け、1日の上げ幅としては22年以来最大を記録した。
NY外為市場:
<債券> 米金融・債券市場では、利回りの大半が低下した。この日実施された30年国債入札で9日の10年債に続き好調な需要を確認したことを受け、関税により市場が激しく変動する中で、債券買いを巡る懸念が和らいだ。
今週の債券市場は利回りが大幅に上昇し混乱していた。アナリストはヘッジファンドやその他の資産運用会社がマージンコール(証拠金請求)や損失のためにトレードを解消し、資産を売却したことが原因だと分析する。
米中貿易戦争が激化する中、中国などの米債大口保有国が保有資産の一部を売却するとの懸念も高まっている。
DRWトレーディングの市場ストラテジスト、ルー・ブライアン氏は9日の390億ドルの10年債入札における力強い需要は、外国勢の米債投げ売りの憶測を覆すものだと述べた。
財務省がこの日実施した220億ドルの30年債入札は、応札倍率が2.43倍と、昨年11月以来の高水準となった。最高落札利回りは4.813%で、入札前取引の水準を2ベーシスポイント(bp)超下回った。
米金融・債券市場:
<株式> 米国株式市場は大幅反落。トランプ大統領の「関税戦争」による経済への影響を巡る懸念が再び強まった。
ダウ工業株30種<.DJI, opens new tabは1014ドル安。S&P総合500種<.SPX, opens new tabは3%超、ナスダック総合<.IXIC, opens new tabは4%超、それぞれ下落し、前日の上昇分の多くを失った。米中貿易摩擦の激化を巡る懸念が高まり、前向きな経済指標や米欧貿易交渉に対する楽観的な見方が弱まった。
マーフィー&シルベストのシニアウェルスアドバイザー、ポール・ノルティ氏は「投資家は結末が分からないため、依然として神経質だ」とし、「投資家はなお関税を懸念し、それがほぼ全面に出ている」と述べた。
米労働省が10日発表した3月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%上昇し、前月の2.8%から伸びが鈍化した。
ただ、米連邦準備理事会(FRB)の政策見通しは不透明だ。ボウマンFRB理事は10日、米経済は堅調に推移しているとの見解を示しつつ、トランプ大統領の貿易政策が経済に及ぼす懸念から金融市場のボラティリティーが高まっていることを認めた。
米国株式市場:
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米中の貿易摩擦激化への懸念やドル下落に伴う割安感を背景に買いが膨らみ、3日続伸した。
トランプ米大統領は9日発動した相互関税第2弾について、報復していない貿易相手国への上乗せ分適用を90日間停止することを決定。一方、中国に対しては相互関税の税率を125%に引き上げる措置を表明した。中国政府は10日、米相互関税の報復措置として、米国からの全輸入品に84%の追加関税を賦課。中国は米国に徹底抗戦の方針を改めて宣言しており、米中の貿易戦争が一段と激化するとの警戒感が台頭。投資家のリスク警戒感の高まりから、安全資産としての金需要が加速した。
外国為替市場で、ドル安・ユーロ高が進み、ドル建てで取引される金の割安感に着目した買いも入りやすかった。
NY貴金属:
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米中貿易戦争の激化を巡る警戒感が根強い中を売りが優勢となり、反落した。
トランプ米大統領は9日午後、相互関税を巡り、貿易相手国ごとに設定した上乗せ分を90日間停止すると表明した。ただ、対中関税についてはさらなる引き上げを表明、税率を計145%とした。中国は10日、報復措置として、予定通り米国からの全輸入品に84%の追加関税の適用を開始した。経済大国である米中の貿易戦争激化が世界的な景気減速を招くとの観測は根強く、米株式相場が大幅安となった。投資家のリスク回避姿勢が強まる中、株式と並ぶリスク資産とされる原油にも売りが及んだ。前日の急伸の反動から利益確定の売りも出やすかった。
また、米エネルギー情報局(EIA)は10日に公表した月間の短期エネルギー見通しで、世界の関税政策や石油生産を巡る最近の変化により、2026年までの世界の石油需要の伸びが減速するとの見通しを示した。エネルギー需要見通しへの警戒感も加わり、原油の売りを後押しした面もあった。
NYMEXエネルギー:

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