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環境ニュース

30年の世界原子力発電予想、再度下方修正=IAEA

 【ウィーン26日ロイター時事】国際原子力機関(IAEA)は、世界の原子力発電業界が日本の福島第1原子力発電所の事故の余波を受け続けているとし、世界の原発発電能力の伸び予想を昨年に続いて再び下方修正した。また、原発能力の増加分は主としてアジアが中心になるとの見方を示した。 IAEAは、世界の原発発電能力が現在の370ギガワット(GW)から2030年までに456~740GWに拡大すると予想した。昨年時点の予想は501~746GWだったため、1~9%の下方修正となった。10年時点(東日本大震災前)の予想は546~803GWであり、これと比較すると8~16%の下方修正となる。 つまりIAEAは今回、世界の原発発電能力が30年までに25~100%増加すると予想したことになる。IAEAは、実際の伸び率は世界経済の成長といったさまざまな要素が影響するだろうと述べた。 IAEAは「福島第1原発事故後も原発能力の伸びは続くと予想されるが、伸びは1年前の予想よりも鈍化するだろう」と指摘した。発電能力の増加分は、中国や韓国など主にアジアになるという。 福島第1原発のメルトダウン(炉心溶融

仏シェールガス採掘禁止の撤回は時間の問題か

 【パリ25日ロイター時事】フランスのオランド大統領は、連立与党の緑の党との連携を保つため、同国の頁岩層ガス(シェールガス)の採掘禁止を継続する姿勢を示した。しかし、経済に急ブレーキがかかり、企業による人員削減が相次いでいることを背景に、この決断が今後大統領を困らせることになる可能性が出ている。 同国には西欧で最も多いシェールガスが埋蔵されている可能性がある。また原子力への情熱は薄れ、産業相がシェールガス採掘禁止への不満を表明しているほか、企業幹部や雇用創出を求める労働組合からも採掘賛成の声が上がっている。こういったことが重なって、大統領の決意が揺らぐとみられる。 大統領はシェールガス採掘に使われるフラッキング(水圧破砕)法に強く反対し、環境面に悪影響が出る可能性を排除するのは時期尚早だと指摘。エネルギー相に7件の採掘許可を撤回するよう命じた。 一部には大統領の動きが、10月の議会で連立与党の緑の党に欧州連合(EU)の新財政協定を支持してもらうための短期的なものだと指摘する向きもある。大統領はユーロ圏や金融市場にフランスがユーロ圏債務危機の収束に向けて役割を担うことを示すた

気候変動止められなければ1億人以上が死亡=報告書

 【ロンドン25日ロイター時事】人道団体DARAは25日、気候変動がこのまま進めば、2030年までに世界の1億人以上の人々が死に、世界の経済成長も3.2%減少するとの報告を発表した。DARAは気候変動の影響に脅かされている開発途上20カ国の政府の委託で報告をまとめた。 報告は、温室効果ガスによる世界の平均気温の上昇で、北極などの氷の溶解、異常気象、干ばつ、海面上昇といった影響が表れ、人間やその暮らしが脅かされると指摘した。 報告によると、気候変動と炭素集約型経済がもたらす大気汚染や飢餓、それに疾病によって毎年500万人が死亡しており、現在の化石燃料消費パターンがそのまま続けば、30年にはその数が年間600万人になる公算が大きい。その90%は開発途上国で起きるという。報告は今後30年までの死者数は1億人以上になるとしている。 また、気候変動は世界の国内総生産(GDP)を年間1.6%(約1兆2000億ドル)減らしており、世界の気温上昇を放置すれば、これが30年には3.2%、2100年には10%を超えると報告は予想した。報告によると、世界を低炭素社会に移行させる費用は2010年代

米動物園で死んだパンダの赤ちゃん、肝臓に異常か

 【24日ロイター時事】米国の首都ワシントンの国立動物園は24日、前日に死んだ生後1週間のジャイアントパンダの赤ちゃんの死因が肝臓の異常に関連している可能性があると発表した。 動物園の職員は23日、心肺蘇生術などの救命措置を講じたが、赤ちゃんを救えなかった。当初の検査結果によると、赤ちゃんはおそらく雌で、外傷や感染症の兆候はみられなかった。 赤ちゃんは今月16日に生まれたが、誕生後100日間は命名しないという中国の慣例に従い、名前はまだ付けられていなかった。飼育されているパンダの繁殖が成功する確率は著しく低いだけに、動物園関係者や野生動物保護論者は赤ちゃんの誕生に沸いていた。 国立動物園の獣医のスーザン・マレー氏が明らかにした暫定検死結果によると、死んだ赤ちゃんの肝臓は変色し、一部硬化していた。同氏は「これは肝臓の異変が死因の一つだった可能性を示している」と述べた。 また同氏によると、もう一つの異常な発見は、赤ちゃんの腹部に液体がたまっていたことだ。腹部に液体が存在するのは成育したパンダでは通常だが、幼いパンダでは異例。病理学者がこの液体の分析を行っているという。同氏

ミツバチの群れ崩壊と殺虫剤との関係、立証できず=英研究

 【ロンドン21日ロイター時事】英国の食糧環境研究局(FERA)とエクセター大学の研究チームは科学誌サイエンスに掲載された論文で、ミツバチの生息数減少と特定の殺虫剤使用に因果関係があるとしたフランス科学者率いるチームの研究結果に異議を唱えた。4月に同誌に掲載されたフランスチームの研究結果は、フランス政府がスイスの農業化学メーカー、シンジェンタの殺虫剤を販売禁止にするきっかけになっていた。 フランスのルフォル農相は6月、ミツバチへの脅威が示されたことを理由に、シンジェンタの殺虫剤「クルーザーOSR」の販売認可を取り消した。 しかしFERAなどの英国チームは、ミカエル・アンリ氏率いるフランス科学者チームの行った当初の研究結果に欠陥があると指摘。殺虫剤が個々のハチにとって有害である可能性は排除しなかったものの、殺虫剤がコロニー(ハチの群れ)全体の崩壊をもたらしている証拠はないと主張した。 英国チームを率いた環境毒性学者ジェームズ・クレスウェル氏は「こういった殺虫剤がミツバチに与える影響を決定付ける証拠はまだない。したがって、殺虫剤の使用方針を変更するかどうか判断すべきではない」と

米国の干ばつ、中部や南部で若干改善

 【20日ロイター時事】米農務省と専門家による「干ばつ監視」は20日、18日までの1週間に米国の干ばつは中西部北部とグレートプレーンズ北部で拡大したが、一部の中部と南部地方では緩和された。同国の干ばつは過去50年で最悪の状態となっている。 週間報告によると、干ばつの強さを示すレベルで少なくとも「中程度(moderate)」とされているのは65%近くで、前週の約64%を上回った。しかし、最高のレベルである「異常(exceptional)」に指定されているのは5.96%にとどまり、前週の6.23%から低下した。 西部地域気候センターのデービッド・シメラル氏は「干ばつ監視の週報によると、中西部南部とグレートプレーンズ南部、それに南部の一部で状況が若干改善し、プレーンズ北部と中西部北部では乾燥パターンが続き、少し悪化した」と述べた。 最もひどい影響を受けている地域の一つイリノイ、インディアナ両州の南部とケンタッキー州東部では、ハリケーン「アイザック」などの影響で過去1カ月に大量の雨が降って、状況が改善した。しかし、夏の干ばつで最悪の状態には陥らなかったミネソタ州とウィスコンシン州で

温暖化で米西部の山火事急増、規模も拡大=研究報告

 【サーモン(米アイダホ州)19日ロイター時事】気候変動を研究する米クライメート・セントラルが18日に発表したリポートによると、温暖化傾向が米国西部の森林での山火事の急増と規模拡大の一因になっている。米西部では大規模な山火事が今後、日常化する公算が大きいという。 リポートによると、1年間に焼失面積1000エーカー(約405万平方メートル)を超える山火事が発生した平均件数は、アリゾナとアイダホの両州で1970年以来4倍近くに増えたほか、カリフォルニアとコロラドの両州と西部のその他6州で倍増した。 このリポートは、米林野局が西部11州で管理する土地で発生した火災に関する42年間の記録を分析したもので、春夏の気温上昇の結果、山火事シーズンが早く始まって遅くまで続いているほか、山火事の規模が拡大したり頻発したりしていると指摘した。 調査対象には焼失面積が1万エーカー(約4047万平方メートル)を超える大規模火災も含まれている。リポートによると、過去10年の各年について米西部でこのような火災が発生した頻度を調べたところ、全ての年で1970年代の年間平均よりも7倍多かった。 20

新車の燃料消費の半減も可能=国際エネルギー機関

 【パリ19日ロイター時事】国際エネルギー機関(IEA)は19日、各国政府が入手可能な技術を徹底的に利用する大胆な政策を取れば、新車の燃料消費は今後20年で半分に減り、石油依存を低減させる一助になる可能性があるとの報告書を発表した。 報告は、世界の1次エネルギーの約5分の1を消費する輸送部門は将来の石油消費の伸びのほとんど全てを占めると指摘。燃料節約は自動車の追加コストを上回るため、そのために必要とされる技術は費用効果が高いことになるが、そうした技術はまだ十分に広まっていないとしている。 報告は「今後10~20年間でこうした技術の可能性を全て実現するには各国の強力な政策が必要だ」と述べ、その政策には、燃料の経済性の基準設定、財政支援、それに教育計画が含まれるべきだと指摘した。その上で、米国や欧州連合(EU)などの経済協力開発機構(OECD)加盟国や中国などではより強力な措置が採用されているが、ほとんどの新興国では後れを取っているとしている。 IEA報告は、これまでよりも大型で強力な自動車へのシフトは一部の国にマイナスの影響をもたらすと述べた。 報告は「輸送部門でのエネ

反対運動、福島事故で激化=インド南端の原発、稼働間近

 【クダンクラム(インド)19日ロイター時事】世界の大半が原子力に背を向けつつある中で、インド南端の村クダンクラムの住民たちは、インド政府が原子力発電所の稼働により、住民の生命を脅かそうとしていると訴えている。この原発は2011年の福島第1原発事故以来、初めてアジアに新設される原発の一つ。クダンクラムは04年のインド洋大津波で打撃を受けた。 インドは、供給不足とスキャンダルにまみれている石炭業界に頼ることができないでおり、世界が原子力の安全性に不安を募らせる中で、原発の建設を押し進めようとしている。インドでは何億人もがいまだに電気無しの生活を送っており、工場は頻繁な停電に悩まされている。これは新興経済大国を目指すインドにとって当惑させられることだ。 しかしそれは、クダンクラムに住む漁師の妻、フランシスカさん(41)にとってほとんど意味のないことだ。彼女は日本政府が福島第1原発の事故を防げなかったのに、インド政府がどうして原発の安全性を保証できようと問いかけた。 フランシスカさんは「福島の原発事故後、われわれにも同じことが起きるのではないかと思い、とても怖くなった」と述べ、「

海氷溶解で北極圏での汚染進む=国連環境計画

 【オスロ18日ロイター時事】国連環境計画(UNEP)は18日、地球温暖化による海氷の溶解を背景として拡大する、北極圏での海運や石油・天然ガス開発での地域汚染はこの溶解をさらに加速化させる可能性がある、との見解を明らかにした。UNEPはこのため、煤煙などの地域汚染物質のリスク評価が緊急に必要だとしている。煤煙は海氷を汚し、その太陽熱吸収効率を高めて、氷の溶解を促す働きがある。 シェルやエクソン、スタトイルといった石油会社は、可能な限りクリーンな技術を使って開発していると述べている。シェルは先に、冬が近づいていることから、米アラスカとロシア・シベリアとの間にあるチュクチ海での今年の石油探査を終了すると発表した。 しかし、海氷の近くで排出され、風による拡散がほとんどない北極海の汚染については、そのわずかな量のリスクも評価されていない。UNEPの広報担当者は石油・ガス採取現場で不要なガスを燃やす「フレア」や北極圏を通航する船舶が使用する燃料に言及して、「懸念すべき多くのことがあり、緊急に評価を下す必要がある」と語った。 同担当者は「氷の溶解で人間の天然資源開発が増え、それがまた氷