焦点:米と同盟国が「包囲網」、対する中国の分断戦略は
米国が同盟国との関係を駆使して中国への圧力を強める体制を再構築しつつある中で、中国はロシアやイランといった強権的な国や、中国に経済依存する国との連携を深めようとしている。さらに対抗制裁措置や恫喝(どうかつ)という手法も用いて、西側の同盟関係の分断も狙っている。
米国が同盟国との関係を駆使して中国への圧力を強める体制を再構築しつつある中で、中国はロシアやイランといった強権的な国や、中国に経済依存する国との連携を深めようとしている。さらに対抗制裁措置や恫喝(どうかつ)という手法も用いて、西側の同盟関係の分断も狙っている。
トルコのチャブシオール外相は20日、同国のイスタンブールで24日から開催予定だったアフガニスタン和平に向けた関係者会議をイスラム教のラマダン(断食月)明けの5月中旬以降に延期すると明らかにした。
欧州連合(EU)は19日、オンラインで外相会合を開き、インド太平洋地域でEUの利益を守り、中国の覇権に対抗するため、安全保障や通商などさまざまな分野を通じて同地域での影響力を高めることで合意した。9月に戦略の具体案をとりまとめる。
フィリピンのドゥテルテ大統領は19日、南シナ海における石油や鉱物資源の「領有権を主張する」ために、軍艦を派遣する用意があると述べた。
英政府は19日、米半導体大手エヌビディアの英半導体設計企業アーム買収に伴う国家安全保障上の影響を調査すると発表した。
台湾の国防部(国防省に相当)の幹部は19日、空中発射型の長距離巡航ミサイルを米国から調達したいと述べた。
ミャンマーのクーデターで実権を掌握した国軍に対抗し、民主派が新たに結成した「国民統一政府(NUG)」は近隣諸国に対し、危機解決に向けた交渉を呼び掛け、軍事政権を承認しないよう求めた。
サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は18日、FOXニュースの番組で、米軍撤退後のアフガニスタンで何が起こるかは誰も保証できないと語った。
日米両首脳は16日午後(日本時間17日未明)にワシントンのホワイトハウスで会談し、中国を強くけん制した。共同文書には、中国が軍事的な圧力を強める台湾について、海峡の安定が重要と明記。香港と新疆ウイグル自治区の人権状況に対する懸念も盛り込んだ。日本と経済的に関係の深い中国の今後の反応が焦点となる。
訪米中の菅義偉首相は16日午後(日本時間17日未明)、バイデン大統領と会談後にそろって会見し、インド太平洋地域と世界に中国が及ぼす影響を議論したことを明らかにした。台湾海峡の安定、同盟の重要性などを確認したとした上で、日本が防衛力を強化していく決意も伝えたと語った。その後にシンクタンクで講演した菅首相は、中国と建設的な関係を築くことにも意欲をみせた。