コラム:人手不足が日銀に圧力、物価上昇持続シナリオの現実味
人手不足が日本の経済と社会を大きく変えようとしている。30年ぶりに3%台の賃上げ率となった2023年に続き、24年も大幅な賃上げが実現する可能性があると筆者は指摘したい。背景にあるのは、人手不足の下で人材を確保して競争に勝とうという経営者の心理だ。
人手不足が日本の経済と社会を大きく変えようとしている。30年ぶりに3%台の賃上げ率となった2023年に続き、24年も大幅な賃上げが実現する可能性があると筆者は指摘したい。背景にあるのは、人手不足の下で人材を確保して競争に勝とうという経営者の心理だ。
[東京 1日] - 5月の反発でドル/円は133円台から140円台まで上昇した。筆者は今年、春先にかけて137─140円付近への反発を経て、年末に向けては改めて中長期的なドル安・円高トレンドへ復帰すると見ていた。
日銀が1日発表した「債券市場サーベイ」の5月調査によると、債券市場の機能度に対する市場参加者の見方を示す機能度判断DIはマイナス46となった。2015年2月以降で最低となった前回2月調査(マイナス64)から大きく持ち直し、22年2月調査以来5期ぶりの改善。日銀の早期政策修正観測が後退する中、金利が落ち着いた動きとなり、マイナス圏ながら市場機能が改善した。
日銀の雨宮正佳前副総裁が、東大金融教育研究センターの招聘(しょうへい)教授に就任したことが分かった。同センターによると就任は1日付。
国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミスト、ピエール・オリヴィエ・グランシャ氏はロイターとのインタビューで、日銀はインフレ期待を目標の2%にするため超金融緩和政策を維持する必要があるとの見方を示した。
ドル/円相場が、約半年ぶりに140円の大台を回復した。5月の主要10通貨の動きをみると、ドルが全面高だった一方、円はノルウェークローネ、スウェーデンクローナを除く全ての通貨に対して下落しており、大台回復はドル高と円安双方による結果とわかる。米国の債務上限問題の見通しが明るくなり、ドル/円続伸を見込む声も強まってきた。そこで、ドルと円の現状を定点観測し、ドル/円相場を展望する。
[東京 30日] - ドル円は昨年11月以来となる140円台を付けた。テクニカル上は、今年1月16日に付けた安値と3月24日安値の129円64銭をつないだ上昇トレンドのチャネル上限140円65銭付近をじわり超えてきている。終値ベースで同水準も明確に上抜ければ、短期的には昨年11月22日高値の142円24銭まで上昇余地は広がることになりそうだ。
日銀の植田和男総裁は31日、日銀・金融研究所が主催する「国際コンファランス」の開会あいさつで、インフレ動向や経済環境の変化に言及し、新型コロナウイルス感染症への対応で公的部門・民間部門で負債水準が高まっていることや地政学リスクが強まっていることにより「既にlow for long(長期的な低金利環境)とは異なる新しい常態に移行しているという可能性も一概に否定することは難しいように思う」と述べた。
東京大学大学院経済学研究科の渡辺努教授はロイターとのインタビューで、来年の春闘の帰すう次第で日銀が来年初めにも短期の政策金利を引き上げる可能性があると述べた。政府の経済財政諮問会議の特別セッションで委員を務める渡辺氏は、「労使の見方が変わってきたことがはっきり分かれば、利上げはあり得る」と話した。
ニューヨーク外為市場では不安定な展開。ドルは一時対円で6カ月ぶり高値を付けたものの、財務省の神田真人財務官の発言を受け下落。通貨バスケットに対しても一時付けていた10週間ぶり高値から下げに転じた。