コアCPI5月は+2.1%、2カ月連続で2%上回る 食料品など上昇
総務省が24日に発表した5月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は101.6と、前年同月比2.1%上昇した。伸び率は7年ぶりの大きさとなった前月と同じで、日銀が目指してきた2%を2カ月連続で上回った。ルームエアコンなど家庭用耐久財や生鮮食品を除く食料が指数を押し上げる一方、政府の補助金などでエネルギー価格の伸びは鈍化した。
総務省が24日に発表した5月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は101.6と、前年同月比2.1%上昇した。伸び率は7年ぶりの大きさとなった前月と同じで、日銀が目指してきた2%を2カ月連続で上回った。ルームエアコンなど家庭用耐久財や生鮮食品を除く食料が指数を押し上げる一方、政府の補助金などでエネルギー価格の伸びは鈍化した。
日銀が24日に公表した5月の企業向けサービス価格指数は前年比プラス1.8%となり、15カ月連続の上昇となった。国際運輸価格の値上がりが主要因で、プラス幅は前月(1.7%上昇)から拡大した。
財務省が23日発表した6月12─18日の対外及び対内証券売買契約等の状況 (指定報告機関ベース)によると、対内中長期債投資は4兆8046億円の売り越しとなった。2005年1月の統計開始以来、過去最大の売り越し規模。
日銀が4月27―28日に開いた金融政策決定会合では、外為市場で円安が急速に進む中、金融政策と為替相場の関係について議論が展開されていたことが明らかになった。複数の委員が短期間での過度な変動が先行きの不確実性を高め企業の事業計画の策定などを難しくする面があると指摘する一方で、1人の委員は「需給ギャップや失業率ギャップがいまだに大きく、インフレの基調が極めて低い現状に対しては円安がプラスに働く」と語った。
ニューヨーク外為市場では円が対ドルで下落し、1998年10月以来の安値を更新した。日銀が金融緩和を維持する姿勢を示す一方、米連邦準備理事会(FRB)は積極的な金融引き締め策を推進する見通しで、日米金利差拡大が注目された。
岸田文雄首相(自民党総裁)は21日の党首討論で、日銀の金融政策の影響は為替だけでなく中小零細企業や住宅ローン、景気にも及ぶため総合的にみる必要があると指摘し、円安を是正するため政策を変更する必要はないとの見解を示した。その上で「金融政策と為替に対する対応、それぞれ整理をして政策を考えていくべき」と述べた。
コロナ禍が経済を恐慌に落とし入れるのを防いで賞賛を浴びた世界の中央銀行が今、その後始末に苦慮している。どの中銀も予想あるいは予防できなかったインフレの高進と格闘しているのだ。
黒田東彦日銀総裁は20日、岸田文雄首相と会談し、現在の経済情勢について意見交換した。黒田総裁は為替相場について、経済金融のファンダメンタルズを反映して安定的に推移するのが肝要であり、最近の急速な円安進行は好ましくないと首相に伝えたことを明らかにした。その上で、今後とも十分に為替市場の動向を注視し「政府と連携して適切に対応したい」との考えを示した。
東京株式市場で日経平均は、前営業日比191円78銭安の2万5771円22銭と、続落して取引を終えた。プラスでスタートしたものの、徐々に上げ幅を縮小してマイナス圏に沈んだ。米国などの主要中銀が金融引き締めを進める中、市場では景気後退への警戒感が株価の重しとなった。
今週の外為市場ではドルの方向性を見極める展開が予想される。積極的な金融引き締めによる世界的な景気減速懸念が広がる一方、日本と他の主要国の金融政策の方向性の違いも意識されやすい。経済指標で実体経済の強さを確認しながらの動きとなりそうだ。