IMF報告書、日本の物価上昇「中期的に1.5%程度」

ロイター編集
[東京 23日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は23日、日本の物価上昇率について、需給ギャップの解消などを背景に、中期的に1.5%程度まで徐々に上昇するとの見通しを報告書にまとめた。安倍政権の財政運営についても触れ、信頼できる財政健全化計画の重要性を指摘した。
報告書は、IMFが毎年、政策当局者などからヒアリングを行ったうえでまとめるものだ。
IMFは報告書の中で、日本経済の現状について「緩やかな景気回復が続いている」と指摘した。
日銀が掲げる2%の物価安定目標に関しては、原油安の影響がはく落し、賃金の伸びを背景に、年末にかけて上向き始めるとの見通しを示した。「需給ギャップの解消などを踏まえ、インフレ率は現政策のもと中期的に約1.5%まで徐々に上昇することが期待される」との記述も盛り込んだ。
ただ、安倍政権の財政運営や構造改革が不完全であることが「もっとも重大なリスク」とし、「財政健全化計画で、現実的な経済前提に基づいて債務を下方軌道に乗せることを目指すとともに、構造的な歳入・歳出措置をあらかじめ明確化すべき」と強調。
信頼のおける計画を伴わず、さらなる金融緩和に踏み切れば「内需の低迷を引き起こすとともに、国内の政策目標の追求のために円安に過度に依存することになりかねず、海外に負の波及効果を及ぼす可能性がある」と警鐘を鳴らしている。

梅川崇 編集:山口貴也

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