8月21日、ロイター企業調査によると、最近の中国の株価下落や景気減速を受け、製造業の43%で中国事業が業績を下押ししていることが明らかとなった。写真はスクリーンを眺める投資家、安徽省・阜陽市の証券会社で7月撮影(2015年 ロイター)
[東京 21日 ロイター] - 8月ロイター企業調査によると、最近の中国の株価下落や景気減速を受け、製造業の43%で中国事業が業績を下押ししていることが明らかとなった。その影響で製造業の19%が対中投資を従来計画より減らすと回答。中国バブル崩壊も念頭に、自動車産業を中心に投資に影響が出始めている。
この調査はロイター短観と同じ期間・対象企業で実施。資本金10億円以上の中堅・大企業400社を対象に8月3日─17日に行った。回答社数は270社程度。
自社あるいは顧客企業の足元の中国関連事業が販売計画を下押ししていると回答した企業は、製造業・非製造業を合わせた全体の31%を占めた。製造業では43%と割合が高い。特に「石油・窯業」は75%、「輸送用機器」では62%、「繊維・紙パルプ」でも63%の企業で影響が出ている。
具体的には、自動車の製造や部品・内装向け繊維、鉄鋼製品、一般機械や建設機械、電子部品、食品や包装樹脂、小売や物流など、影響が出ている分野は多岐にわたっている。
こうした景気状況を踏まえて今後の対中投資への対応を尋ねたところ、従来よりも減らすとの回答は全体で14%、横ばいが77%、それでも増やすとの回答は9%だった。
製造業では19%が景気減速を理由に従来より投資を減らすと回答、特に「輸送用機器」は38%と4割近い企業が減らすとした。その中には、「中国バブル崩壊をにらみ、必要最低限とする」といったコメントが複数あるほか、横ばいにとどめるとの企業からも「1年先までは見通しがたつが、それより先はリスクが大きいため、大きな投資はできない」、「能力増強のための新規投資は当面控える」など、慎重姿勢がうかがえる。
自動車を最大顧客に抱える「鉄鋼・非鉄」も29%の企業が減らすとしているほか、「金属・機械」、「電機」も2割程度が減らすとしている。
生産拠点としての中国の魅力はすでに人件費上昇などで薄れているとしている企業が多く、さらに政策的な成長減速に伴う市場の混乱なども踏まえ、「カントリーリスクの増大は否めない」(金属)といった認識も広がりだしている。
非製造業は15%の企業で業績下押し要因となっているが、内需型企業が多く、8割は影響なしとしている。
中川泉 梶本哲史 編集:石田仁志
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