[東京 6日 ロイター] 民主党は6日午前、社会保障と税の一体改革調査会(会長・細川律夫前厚生労働相)を開き、最低保障年金など新しい年金制度に移行した場合の財政試算を公表した。完全移行後の2075年度時点では、消費税率を10%に引き上げた後、さらに最大で6.2%の上乗せが必要になる。
試算は最低保障年金の支給範囲別に4案を提示。2075年度時点で必要な財源は、43.5兆円─58.7兆円、消費税率に換算すると、2015年度に10%に引き上げた後、さらに3.5%─6.2%の増税が必要になる。
2月に公表した試算では、75年度時点で必要な追加増税幅は2.3%─7.1%だった。その後判明した将来の出生率予想の改善で、消費税率の最大の上げ幅は6.2%に縮小したが、今回、低所得者に手厚くした選択肢を加えたため、最小のケースでも上げ幅は3.5%に膨らんだ。
現行制度を維持した場合の自然増分を消費税率換算すると2.4%で、負担面では、4案のいずれのケースも現行制度より消費税負担は重くなる。一方、給付面では、一人当たりの年金受給額の格差は現行制度より小さくなるメリットなどもある。現行制度と比べ、受給額が増える人と減る人が発生する問題については、民主党では今後の制度設計の議論のなかで詰めていくとしている。
民主党は新年金制度の制度設計と再試算がまとまったことを受け、今後の社会保障制度改革を議論する国民会議の設置を自民、公明両党に働き掛ける意向だ。細川会長は「新年金制度の旗を降ろしたわけでは決してない。国民会議で提案して議論していく」とあいさつした。ただ、自民・公明は3党協議の過程で新年金制度は事実上棚上げになったと主張してきており、来たる衆院選での争点のひとつになりそうだ。
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