ロック解除要求には「米建国の父も驚愕」=アップル陳述書

ロイター編集
ロック解除要求には「米建国の父も驚愕」=アップル陳述書
 3月15日、スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」のロック解除を米司法省が要求する事態を見たら、アメリカ合衆国建国の父たちは「驚愕するだろう」─―。米アップルは同日、来週の法廷対決を控えてこんな内容の最終陳述書をまとめた。写真はニューヨークで昨年7月撮影(2016年 ロイター/Mike Segar)
[サンフランシスコ/ワシントン 15日 ロイター] - スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」のロック解除を米司法省が要求する事態を見たら、アメリカ合衆国建国の父たちは「驚愕するだろう」─―。米アップルは15日、来週の法廷対決を控えてこんな内容の最終陳述書をまとめた。
米連邦捜査局(FBI)に対して裁判所が先月出した命令をめぐって、アップルは当局と争っている。FBIはアップルに対し、パスコード(暗証番号)のロックを解除できる新たなソフトウエアを作成し、カリフォルニア州サンバーナディーノで起きた銃乱射事件の犯人リズワン・ファルーク容疑者が使用していた携帯電話のデータにアクセスできるよう要求した。
これに対しアップルは15日、アップルに捜査協力を強制できる権限を司法省に与えることを、米議会は拒否したと指摘した。
アップルは陳述書で「沈黙は時に意志の弱さを示すが、議会が主要な政策課題に対処するための法制化を積極的に検討しながら、法制化を故意に拒否しているとなれば話は別だ」と主張した。
アップルによると、裁判所は民間の当事者に対して「司法省やFBIが思い描く事実上全てのことを命じることができる、と政府も信じている。建国の父たちは驚愕するだろう」という。
司法省は声明で、アップルの主張に法廷で回答することを心待ちにしていると主張した。
エミリー・ピアス報道官は「申し立ての際に指摘した通り、憲法と連邦政府の(立法、行政、司法の)3部門は、市民一人一人のプライバシーに対する権利と全市民の安全と公正の間のバランスを取るよう信託を受けている。米国の憲法と法律は一企業にその権限を付与していない」と話した。
政府側はアップルが携帯電話へのアクセスを拒否しているのは、顧客のプライバシー保護に全力で取り組む姿勢を見せるための「マーケティング戦略」の一環だと主張する。これに対し、アップルの幹部ディレクター、ロバート・フェリーニ氏は宣誓陳述書の中で、アップルは基本ソフトのiOS8に関して、2014年10月に全世界で1800近くの広告を展開し、推計で2530億回の表示回数(インプレッション)があったとしている。
その上でフェリーニ氏は「これらの広告の中で、司法機関によるアップル端末上のコンテンツに対するアクセス請求を阻止できる能力がアップルのソフト上にある、と広告したり宣伝したことは一度もない」と指摘した。
このほか政府は先週に裁判所に提出した陳述書の中で、ソフトの設計図に当たるソースコードや電子署名を行うためのキーをアップルに求める権限が政府にあるかもしれないと示唆している。専門家によると、もし政府がソースコードを入手すれば、ファルーク容疑者の携帯電話だけでなく、無制限に端末へのアクセスが可能になると指摘している。

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