アングル:7─9月GDP上方修正か、マイナス成長は年度後半持ち直し

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アングル:7─9月GDP上方修正か、マイナス成長は年度後半持ち直し
 12月1日、法人企業統計を受けて、2014年7─9月期のGDP成長率が2次速報値で上方修正される公算が強まった。都内で先月撮影(2014年 ロイター/Thomas Peter)
[東京 1日 ロイター] - 1日発表の法人企業統計を受けて、2014年7─9月期の国内総生産(GDP)成長率が2次速報値で上方修正される公算が強まった。設備投資が上方修正される見通しとなったためで、1次速報値の前期比・年率マイナス1.6%から、マイナス幅が0%台半ば─同1%程度に縮小する可能性が高い。
プラス成長にはならず、回復力が弱かったとの評価に変化はなさそうだが、10─12月期は明確な回復方向となるとみられている。  
法人企業統計の結果を受けて、設備投資はGDP2次速報値でマイナスからプラス成長に転換する公算が高まった。1次速報値の前期比マイナス0.2%からプラス1%程度へ上方修正されそうだ。
また、1次速報で最も足を引っ張った在庫投資の寄与度は、1次速報値のマイナス0.6%から若干上方修正される見通し。
もっとも、マイナス寄与は在庫調整の進展を意味するもので、マイナス幅の縮小は進展の遅れを意味を示すに過ぎない。
民間需要の落ち込みを補う公共投資については、上方・下方修正に見方が分かれている。
ニッセイ基礎研究所では「(7─9月期GDPが)たとえプラス成長になったとしても、4─6月期からの回復力が弱いいことに変わりない」とみているほか、みずほ証券でも「今回の改定は必ずしもポジティブに捉えることはできない。回復の鈍い個人消費や設備投資の結果を踏まえると、景気のけん引役が不在の状況は継続している」としている。
背景として、農林中金総合研究所では「実質所得の目減り効果に加え、天候不順などの影響がある。全般的な持ち直しテンポは鈍く、14年度はマイナス成長の可能性が高いだろう」と予測している。
先行きについて、10─12月期は年率3%後半から4%弱の成長率が見込む調査機関もある。輸出の持ち直しや設備投資の回復傾向もあり、「明確な上向きに転じていく」(ニッセイ基礎研究所・経済調査室長の斉藤太郎氏)との見方が目立つ。
15年度に入れば「消費税の再増税先送りや日銀の追加金融緩和、原油など資源価格の大幅下落、円安の定着などで、国内景気の回復テンポが強まっていくだろう」(農林中金総合研究所・主席研究員の南武志氏)との期待感も広がっている。
こうした点とは別に、7─9月期のGDP2次速報は、13年度が確報値に変わることもあり、経済の姿が1次速報値とは大きく異なる可能性に注意が必要だ。
<各社の7─9月期GDP予測> 単位・前期比%
前期比年率 設備投資 在庫投資 公的資本形成
1次速報値 -1.6 -0.2 -0.6 2.2
ニッセイ基礎研 -0.3 0.8 -0.4 2.5
みずほ証券 -0.5 0.8 -0.5 3.4
三井住友AM -1.1 1 若干上方修正 若干下方修正
農林中金総研 -0.4 0.9 -0.4 1.8
バークレイズ証券 0 1.9 -0.5 2.2
(三井住友AMは、三井住友アセットマネジメントの略称)

中川泉 編集:田巻一彦

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