6月6日、ユーロ圏経済の状況がさらに悪化するまで利下げを見送ろうと、欧州中央銀行(ECB)は待ちの姿勢を続けている。写真は2012年1月、フランクフルトのECB本部(2012年 ロイター/Kai Pfaffenbach)
By Pierre Briancon
[ロンドン 6日 ロイター BREAKINGVIEWS] 欧州中央銀行(ECB)は待っている。ユーロ圏の経済は停滞し、失業率は10%に達したが、さらに状況が悪化するまで利下げを見送ろうと、待ちの姿勢を続けている。
ギリシャとスペインをめぐり、ユーロ加盟国政府が大きな行動に出るのを待っている。危機伝播の恐れを抑えるのに必要な短期的措置を棚上げし、金融・銀行同盟についての長期的計画が示されるのを待っている。ECBはずっと、無能なユーロ加盟国政府を叱責してきた。それは正当と言えるが、今や泥沼に足をとらわれているようだ。
危機が始まって3年。ユーロ圏内で辛うじて機能している唯一の機関という立場に置かれたECBが憤るのは無理もない。ECBはまたもや各国政府に対し、必要な行動を採らなければ政策発動に応じないと圧力を掛けている。
ギリシャの政治状況が行き詰まり、スペインが銀行危機に見舞われた今、ECBは成す術を見失っているように見える。スペインは、かつてのポルトガルやアイルランドと同様、救済を仰ぐことを拒否している。銀行の資本増強という「軽量級救済」に過ぎないにもかかわらずだ。欧州金融安定ファシリティー(EFSF)を今すぐ使ったとしても、ユーロ加盟諸国には対処能力が無い。
最良の対応は、EFSF、あるいはその後継機関である欧州安定メカニズム(ESM)がスペインの銀行を直接支援できるようにすることだろう。大半の加盟国はこの解決策を支持している。ECBは公言しないが、各国中央銀行も支持の立場だ。しかしドイツは反対し、合意前に譲歩を求めている。
ECBは外交上の儀礼を犠牲にしてでも、各国政府に必要な行動を採るよう再度要求する可能性がある。しかしそれはドイツの反対によって足かせをはめられている。ECBは行動に踏み切るよりも、ユーロ加盟諸国が壮大な計画で合意するまで待つだろう。合意には達しそうにないし、達するとしても6月末までには無理そうだ。
その間に何が起こるか。市場はさらに恐怖に満ち、催促相場の色合いを濃くし、ユーロ圏には四方から脅しが掛けられ続けるだろう。
<背景となるニュース>
*ECBは6日、ユーロ圏の景気見通しに「下振れリスクが強まった」ことを認めながらも、政策金利を据え置いた。
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイター Breakingviewsのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」