10月10日、尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる問題で日中関係が冷え込む中、中国人民銀行の周小川総裁はIMF年次総会への出席を見送った。写真は記者会見に出席するラガルドIMF専務理事ら(2012年 ロイター/Kim Kyung Hoon)
By John Foley
[北京 10日 ロイターBreakingviews] 中国が国際通貨基金(IMF)での影響力拡大を目指したいなら、日本で開催中の年次総会ボイコットは間違った選択だ。尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる問題で日中関係が冷え込む中、中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は今週開催されるIMF年次総会への出席を見送った。
IMFは金融や通貨について話し合う場であり、政治を持ち込むべきではない。中国がそう思わないのであれば、より大きな役割を担う準備ができていないことの証左だろう。
年次総会ボイコットは、IMFでの議決権を3.8%から拡大させたい中国にとって機会損失にしかならない。米ドル建てに代わる金融システムの構築を強力に訴えるなど、周総裁はアイデア豊富な人物として名高く、予定されていた基調講演は、議論の流れを形作る内容になるかもしれなかった。中国人民銀行には課題も多いが、マクロプルデンシャル政策など世界に教えることも多い。
確かに、金融と政治をからめるのは中国だけではない。米国は依然としてIMFで圧倒的な支配力を維持している。しかし、中国が他国の支援を得るためには、自分たちの問題をただ押し付けるのではなく、むしろ外交政策への干渉を控え目にし、良い手本を示すことこそ必要だ。
公正を期して言うなら、周総裁を含むIMF総会を欠席した中国人民銀行の幹部は難しい立場に置かれている。日本を訪問すれば、ほぼ間違いなく中国国内のブロガーたちの批判の的になるだろうし、共産党指導部交代を11月に控えて政策は世論に影響されやすい。
中国には現在、1970年代の鄧小平のような、難局を打開させるだけのカリスマ性を持った指導者がいない。
そして、中国は攻撃する相手を間違っている。日本はアジア通貨基金を提唱した1990年代以降、IMFでアジア各国の役割拡大を精力的に支持してきた。日本が世界の国内総生産(GDP)に占める割合は9%だが、IMFで持つ議決権は6.2%と、中国と同様に発言力では後れを取っている。日本は、中国が今戦っている多くの事をすでに経験した国だ。それに気づかないことは、中国にとっては損失でしかないだろう。
*筆者はロイターBreakingviewsのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」