富士通が今期業績予想を下方修正、半導体や電子部品の収益悪化で

ロイター編集
[東京 31日 ロイター] 富士通<6702.T>は31日、2013年3月期の連結業績予想を下方修正すると発表した。営業利益は前期比5%減の1000億円になる見通し。従来予想の1350億円に比べ、25.9%下振れする。半導体や電子部品、欧州を中心とした海外サービス事業での収益悪化が下期も継続するため。
トムソン・ロイター・エスティメーツによると、アナリスト13人が過去90日間に出した営業利益予測の平均値は1184億円で、修正した会社予想はこれを15.5%下回っている。
今期売上高予想も同1.1%減の4兆4200億円(従来予想は4兆5300億円)、純利益予想は同41.5%減の250億円(同600億円)とそれぞれ下方修正した。純利益予想には、LSI(大規模集積回路)事業の後工程製造拠点の譲渡に伴う特別損失100億円も織り込んだ。
会見した加藤和彦最高財務責任者(CFO)は、今期売上高予想の下方修正理由について「欧州市場の減速を受けて海外サービス事業が減収となるほか、デバイス事業は市況の改善が見られず、上期が計画未達のため、下期もそのレベルでみた」と説明した。
業績予想の前提となる為替レートも変更したことで、200億円の減収となる見込み。足元の為替状況を踏まえ、下期の前提為替レートを、対ドルで77円(従来は80円)、対ポンドで125円(同130円)にそれぞれ見直した。対ユーロは100円と従来のまま据え置いた。
<デジタル家電向けLSI、パソコン向け電子部品が不振>
半導体や電子部品などのデバイスソリューション部門の今期売上高予想は、当初計画に対して650億円下振れる。デジタル家電向けや産業機器向けを中心に不振となっており、加藤CFOは「スマートフォン(多機能携帯電話=スマホ)関連向け以外のLSI、電子部品も前回計画を下回る」と述べた。
同部門での営業利益ベースでは当初計画に対し、270億円減額した。LSIと電子部品の減収により150億円がマイナス要因となるほか、NTTドコモ<9437.T>、NEC<6701.T>との合弁会社で進めているスマホ向け通信制御用半導体の開発費用として70億円がかさむという。さらには半導体市況の不透明感が拭えないとして「50億円のリスクを織り込んだ」(加藤CFO)。
<4―9月期は5年ぶり最終赤字>
同時に発表した12年4―9月期の連結決算では、純損益が110億円の赤字(前年同期は57億円の黒字)となった。上期としての最終赤字転落は5年ぶり。欧州の景気悪化で海外サービス事業が不振だったほか、LSIや電子部品の収益悪化、国内外でのパソコン価格の下落が響いた。前年同期には欧州子会社の清算やグループ内再編による株式譲渡に伴う税金費用の減少効果などがあり、その反動もあった。
携帯電話事業がスマホの販売好調で計画を上回ったほか、IT(情報技術)投資の回復などで国内サービスは堅調に推移。コスト削減効果も手伝い、営業利益は前年同期比9.1%増の76億円となった。通期予想に対する進ちょく率は7.6%。前年同期の通期実績に対する割合は6.6%だった。売上高は同1.0%減の2兆0718億円だった。4―9月期業績全体としては、ほぼ期初計画通りだった。
(ロイターニュース 白木真紀;編集 田中志保)
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