企業の1年後物価見通しは+1.4%に低下、インフレ期待高まらず

ロイター編集
企業の1年後物価見通しは+1.4%に低下、インフレ期待高まらず
 12月16日、日銀短観における「企業の物価見通し」によると、企業が想定する消費者物価(CPI)の前年比上昇率は、消費税率引き上げの影響を除き、全規模全産業の平均で1年後がプラス1.4%。都内で15日撮影(2014年 ロイター/Yuya Shino)
[東京 16日 ロイター] - 日銀は16日、12月の全国企業短期経済観測調査(短観)における「企業の物価見通し」を発表した。企業が想定する消費者物価(CPI)の前年比上昇率は、消費税率引き上げの影響を除き、全規模全産業の平均で1年後がプラス1.4%となり、前回9月調査から0.1%ポイント低下した。
10月末の日銀による追加緩和後も、企業の物価上昇期待に高まりは見られていない。
1年後の物価見通しを産業・規模別にみると、製造業は大企業がプラス1.1%、中小企業がプラス1.7%とそれぞれ前回調査と同水準となったのに対し、非製造業は大企業がプラス1.1%、中小企業がプラス1.6%とそれぞれ前回よりも0.1%ポイント低下した。足元の急速な原油安に伴うガソリン価格の低下などが反映されている可能性がある。
一方、全規模全産業で3年後はプラス1.6%、5年後はプラス1.7%となり、前回調査と同水準だった。5年後までを展望しても、日銀が物価安定目標に掲げる2%に達していない。
日銀では、昨年4月に導入した「量的・質的金融緩和」(QQE)の推進で企業や家計のインフレ期待を高めることを目指しているが、これまでのところ調査からは企業のインフレ期待の明確な高まりはうかがえない。日銀が展望している2015年度中の物価2%到達も、企業の1年後の物価見通しからは、遠くなった格好だ。
同時に公表した各企業の主要な製品・サービスの販売価格見通しも、現在と比べて平均で1年後に1.0%上昇、3年後に1.7%上昇、5年後に2.0%上昇となり、それぞれ前回調査から0.1%ポイント低下した。
企業の物価見通しは今年3月調査分から公表を開始し、今回が4回目。回答企業数は1万社強だった。1万社規模で企業の物価見通しを調査するのは、世界的にも例がない。日銀では、今後も四半期ごとの短観でデータの蓄積を続けるが、統計の癖や季節性などを把握するには「少なくとも2年間程度の蓄積が必要」(調査統計局)としている。

伊藤純夫 編集:田中志保

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