6月25日、中国は商業銀行の預貸率の上限規定を撤廃すると表明し、銀行業界は成熟に向けて大きな一歩を踏み出した。写真は中国紙幣の入った箱、北京のマーケットで昨年2月撮影(2015年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Peter Thal Larsen
[香港 25日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国の銀行業界は成熟に向けて大きな一歩を踏み出した。政府は24日、商業銀行の預貸率の上限規定を撤廃すると表明。現行法では、中国の銀行は預金の75%以上は融資ができず、資金供給の足かせとなっていた。
今回の規制緩和で、金融システムの歪みは是正され、与信が拡大するはずだ。さらに重要なことだが、これは規制と融資枠の割り当てを土台とする中国金融システムの解体が近いことも意味している。
預貸率の上限規定は、メリットよりもデメリットのほうが大きくなっていた。一部の銀行は規制を回避するため、法人向けの融資を規制の対象外となる金融機関向け融資に粉飾。毎月月末にかけては、預貸率を健全に見せかけるため、短期の預金集めに奔走していた。
今回の上限撤廃で、融資は短期的に増える可能性がある。国内銀行の3月末時点の預貸率は66%だが、交通銀行や中信銀行などは、規制の対象にならない海外向けの融資を含めると、年末時点で預貸率が75%を超えていた。
今回の規制緩和で、残された最後の重要な銀行規制は預金金利の上限のみとなった。これは年内にも撤廃される可能性がある。そうなれば、理論上は需給関係に応じて融資金利を決めることが可能になる。
規制の撤廃はリスクを伴う。銀行自由化が混乱を招かった国は少ない。中国は2008年の大型景気対策に伴う融資急増の後始末と、国際資本フローの規制緩和という課題を抱えながら、銀行自由化を進めている。銀行産業を成熟させられるかどうかは、規制当局の肩にかかっている。
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