G7が欧州危機めぐり5日に電話協議、スペインの銀行問題を懸念

ロイター編集
G7が欧州危機めぐり5日に電話協議、スペインの銀行問題を懸念
6月4日、G7財務相・中央銀行総裁は、5日午前に電話会議を開き、欧州債務危機について協議する。写真はマドリード証券取引所で5月撮影(2012年 ロイター/Andrea Comas)
[トロント/ベルリン 4日 ロイター] 日米欧7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁は、5日午前に電話会議を開き、欧州債務危機について協議する。
金融市場では、スペインの銀行危機や、17日の再選挙がギリシャのユーロ圏離脱につながることが懸念されている。
米ホワイトハウスのカーニー報道官は記者団に「欧州の景気回復を確実にし、危機が深刻化するリスクを取り除くのに、これまで講じられた措置が十分であったかどうかについて、市場はなお懐疑的だ。そのため明らかに一段の対策が必要とわれわれは考えている」と述べた。
カナダのフレアティ財務相は、G7の財務相・中央銀行総裁が、5日に電話協議を行うことを明らかにした。
その上で「一部欧州銀の基盤が弱く資本が不足しているという事実や、他の欧州諸国が銀行の資本不足や適切なファイアウオール構築の問題に対処するために十分な措置を依然講じていないこと」が真の懸念材料だと指摘した。
ドイツ政府の報道官は4日、ドイツがスペインに対し国際支援を求めるよう促したとする報道受け、支援を求めるかどうかを決めるのはスペインだと述べた。
スペインは欧州救済基金からの直接的な銀行の資本増強を可能にする方策を求めているが、ドイツは拒否する構え。
一方ドイツは、フランスをはじめユーロ圏参加国に、「財政同盟」構築に向け財政での主権の譲歩を求めている。
G7筋の1人は匿名で「欧州、特にスペインの状況に強い警戒感がある」と指摘。スペイン銀行に取り付け騒ぎが起こらないか懸念されており、そうなればユーロ圏以外にも影響が及ぶ恐れがあるとの見方を示した。
米国はこれまで欧州に対し、危機に対するより強力な対応を求めてきた。オバマ大統領は、欧州の危機は力不足の米景気回復にとって問題との認識を示している。
ある米財務省高官は「欧州首脳は、危機感を強めているようだ。メキシコでの20カ国・地域(G20)首脳会議も念頭に、今後数週間で欧州の動きが加速することを期待する。欧州の銀行システム強化に向けての動きは特に重要だ」と述べた。
<スペインは7日に国債入札>
10年物国債利回りが6.6%付近に急騰しているスペインは、7日に10億─20億ユーロの10年債入札を実施する予定で、市場の反応が注目されている。
米国は、ユーロ圏の支援につながる国際通貨基金(IMF)への資金拠出増に難色を示しており、IMFが危機封じ込めの一役を担う可能性は低いもよう。
あるブラジル政府高官は「財政面からも刺激策を講じる十分な余地のある欧州諸国が今にも実行するべきだと、われわれは主張している」と語った。ブラジル当局者は、刺激策を強化できる財政余地のある欧州諸国は少ないことを認識していることから、これは主にドイツを念頭に置いた発言とみられる。
欧州連合(EU)は28─29日に首脳会議を開催する。ファンロンパイ大統領は4日、ユーロ圏の経済統合計画について、内容に盛り込む要素や達成方法で6月に合意し、年末までにまとめたいとの意向を示した。
これまでのところドイツは、預金の共同保証や経営難に陥った銀行を救済する共通基金を含む銀行同盟に反対を主張。このような措置は、「財政同盟」構築の最後に考えられるべきとしている。
メルケル首相は、バローゾ欧州委員長との会合前に、システム上重要な銀行を欧州の監督当局下に置くという「中期的目標」を検討する意向を示した。
ただ政治的統合強化のプロセスは複雑で、ロイターが入手したドイツ政府の文書では、欧州の経済政策の調整強化については、来年春まで最終決定はないとの見方を示している。
<中国もギリシャのユーロ離脱を警戒>
3人の関係筋が4日ロイターに明らかにしたところによると、中国政府は中央銀行などの主要関係各局に対し、ギリシャのユーロ離脱リスクに備えた緊急対応策を策定するよう要請した。
緊急策には、人民元の安定維持に加え、国境をまたいだ資本移動の監視や国内経済安定に向けた政策の強化などが含まれる可能性があるという。
ユーロ圏関係者はこれまで、巨額の外貨準備を抱える中国に対して、危機国の債券買い入れによりユーロ圏を支援するよう要請してきた。ただ中国は、リスクや世論の批判を意識して消極的な姿勢を示している。
*内容をさらに追加して再送します。

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