10月22日、米国の「財政の崖」問題の回避に向け、1月2日に開始予定の広範な1090億ドルの財政削減を撤廃し、代わりに対象を絞った550億ドルの削減策を導入する案が米議会内で検討されていることが、関係筋の話で明らかになった。写真はワシントンの国会議事堂前で9月撮影(2012年 ロイター/Kevin Lamarque)
[ワシントン 22日 ロイター] 米国の「財政の崖」問題の回避に向け、1月2日に開始予定の広範な1090億ドルの財政削減を撤廃し、代わりに対象を絞った550億ドルの削減策を導入する案が米議会内で検討されていることが22日、関係筋の話で明らかになった。
追加的な財政赤字削減措置については2013年に入ってから検討するとしている。
こうした暫定措置により、減税措置の失効と歳出削減が重なる「財政の崖」問題が緩和される可能性があるが、「財政の崖」問題の最大の焦点である12月31日に失効する総額4000億ドルに上る「ブッシュ減税」に対する解決策とはならない。
この550億ドルの削減策は、1月から6月にかけて実施され、議会が対象プログラムを決定する。企業や富裕層向けの優遇税制の一部見直しなども含まれれているという。
協議はまだ初期段階にあるが、承認されれば、赤字削減に向け一段と野心的な税制・歳出措置に来年取り組む方針があわせて表明されるとみられている。
ある上院の民主党関係者は「実際に行われる可能性が高い予備プラン」と説明。ただ、スタッフレベルでの協議にとどまっており、議員から正式な支持は得られていないと強調した。
下院の共和党関係者は、上院の超党派グループが模索している案だとした上で、「問題の半分にしか手をつけないのは理にかなわない」と、否定的な見解を示した。
ただこうした暫定案に向けた取り組みも、共和党のロムニー候補が大統領選で勝利すれば撤回される可能性がある。新政権の歳出削減案を策定するため、数カ月の時間的猶予を議会に要請する公算が大きいためだ。
一方、オバマ大統領の再選となった場合には、改選前の議会には約1カ月の時間がある。
半年の税制変更で目立った税収増が見込めるのか民主党内からも疑問の声が上がっているが、上院の共和党関係者によると、富裕層向けの税額控除を制限する案に支持が集まっている。ロムニー氏はこれまでこの案に支持を表明している。
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