5月1日、米連邦準備理事会(FRB)は発表した連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、月額850億ドルの資産買い入れ継続を発表した。写真は100ドル紙幣。ソウルで1月撮影(2013年 ロイター/Lee Jae-Won)
[ワシントン/ニューヨーク 1日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)は1日発表した連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、月額850億ドルの資産買い入れ継続を発表した。最近の財政引き締めが経済成長に及ぼすリスクに言及、借り入れコストの引き下げや景気浮揚を図る。
市場関係者のコメントは以下の通り。
●PCE価格指数さらに落ち込めば追加QE実施の可能性
<バークレイズの米国債トレーディング部門責任者、クリス・マクレイノルズ氏>
市場では、FRBが年末までに資産買い入れ規模を月額500億ドルに引き下げる方針を示すとの予想も出ていた。しかし、こうした方針は示されなかった。
FRBはその代わり、より均衡の取れたアプローチを示した。月額850億ドルの買い入れ規模を維持するとし、声明の最終段落では、成長もしくは物価に対するFRBの見通しに変更があれば調整するとの姿勢が示されている。
成長が現在の水準にとどまる一方で、個人消費支出(PCE)価格指数がさらに落ち込めば、追加量的緩和(QE)が実施される可能性もある。
●資産購入拡大の可能性示唆がポイント
<PAAMCOのポートフォリオマネジャー、サム・ディエドリッチ氏>
大きく変わったのは、(買い入れ)プログラム拡大の可能性を示唆した点だ。措置は何も講じなかったものの、プログラム拡大の必要が生じる可能性に言及したという意味で市場の期待に応えた。
プログラム拡大を検討していることをより明確に示すだけでFRBが望む効果が得られる可能性もあり、そうなれば実際に行動する必要はなくなるかもしれない。
●指標悪化踏まえると、特にハト派的な内容ではない
<BNPパリバの為替ストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏>
FRBは幾分柔軟性を示したが、資産買い入れ規模を拡大、縮小のいずれの方向にも柔軟に対応することを鮮明にした。
経済指標が悪化していることを踏まえると、今回のFOMC声明をとりわけハト派的な内容とは言えない。着眼点はFRBが現行政策を維持するということだろう。最近の指標は、資産買い入れを近い将来に縮小する理由はないことを示している。
●雇用統計弱ければ資産買い入れ拡大の可能性高まる
<コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの首席市場アナリスト、オメール・エシナー氏>
全体的に声明のトーンは大方の予想ほどハト派的ではなかった。特に最近の米経済指標が予想を下回る内容だったことを踏まえればなおさらだ。連邦準備理事会(FRB)は月額の資産買い入れ額を増やす用意があると表明する一方、経済が回復すれば刺激策を縮小する可能性も残している。
声明がいったん消化されたら、投資家の注目は2日の雇用統計に移るだろう。再び(非農業部門雇用者数の増加数が)10万人を割り込むようなら、春の景気鈍化への懸念が強まり、FRBの次の動きが買い入れ拡大になる可能性が高まるとみられる。
●声明内容はほとんど変わらず
<ミラータバクの首席経済ストラテジスト、アンドリュー・ウィルキンソン氏>
声明内容はほとんど変わっていない。経済は引き続き緩やかなペースで拡大しているとの認識が示された。米国と世界経済が少なくとも軟化したことを示す最近の指標への言及はないが、「財政政策が経済成長を制限している(fiscal policy is restraining economic growth)」とあり、前回(声明の「財政政策の制約が幾分強まった:fiscal policy has become somewhat more restrictive」)からはやや強まっている。
経済に下向きリスクがあるとの認識は今回の声明にも見受けられるが、資産買い入れの規模については、連邦準備理事会(FRB)は今後の経済指標の内容に応じて増減どちらの方向にも変更する可能性があることを示唆している。
●資産購入縮小に関する言及なく中立的
<ニューエッジUSAの市場戦略部門ディレクター、ロバート・フォン・バテンバーグ氏>
FRBが資産買い入れプログラムを縮小させるか注目されていたが、この点に関する言及はなかった。その意味では、かなり中立的な声明だったと言える。
個人消費支出(PCE)価格指数が横ばいで推移しており、コアインフレに関する言及はあった。これほどの刺激策を実施しながらも、コアインフレにはまったく動きが見られない。
2日には欧州中央銀行(ECB)の理事会が予定されている。利下げを決定するとの予想が大勢となっているが、それで十分かどうかは疑わしい。
●政策に当面変更なし
<ディアボーン・パートナーズのマネジング・ディレクター、ポール・ノルテ氏>
(現行政策に)当面、何ら変更がないことが示された。これは市場が期待していた結果だ。
月次の資産買い入れ規模について、850億ドルを超える買い入れを行う余地を残したが、ほとんど変更はなく市場の流動性は潤沢だ。
FOMC声明には月ごとに大きな変化はなく、微調整もほとんど見られない。予見可能な将来において、この状態が続くことになるだろう。
●景気失速論を全面的には信じていない公算
<RBCキャピタル・マーケッツの首席米経済エコノミスト、トム・ポーチェリ氏>
ほぼ前回の声明内容を踏襲しており、インフレや経済状況に関する見方もほとんど変わっていない。このところの弱い指標を踏まえると、声明はやや意外感がある。景気失速しているとの見方へと米連邦準備理事会(FRB)が完全には傾いていないことを示唆している。
*本文を修正して再送します。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」