イタリアは2―4月の国債償還乗り切る可能性、短期債に既に需要

ロイター編集
[ミラノ 20日 ロイター] イタリアは2―4月に900億ユーロの長期国債償還を迎えるが、欧州中央銀行(ECB)が長期流動性供給の措置を講じたことで、これを乗り切る可能性が高まっている。
イタリアは1兆9000億ユーロの公的債務を抱えているが、借り換えが難しいとの見方から3年債入札金利は11月には8%近くまで上昇していた。しかしECBの潤沢な資金供給により、最近は短期金利が低下している。
インテサ・サンパオロの債券アナリスト、チアラ・マネンティ氏は「最近の入札は、緊張がやや緩和していることを示している。今後、中長期債でも需要が回復し、国外からの引き揚げに歯止めがかかることが重要だ」と述べた。
ECBが12月21日に実施した3年物資金供給には、イタリアの銀行が全体の4分の1となる1160億ユーロを取り入れた。アナリストによると、この資金供給により、最近の国債入札ではイタリアとスペインの短期債需要が増大した。
シティは先週のリポートで「国内投資家は引き続き参加する可能性が高い。既存のエクスポージャーを守るという誘因もある」と述べた。
イタリア中銀によると、6月時点で1兆6000億ユーロの国債のうち国内勢が保有するシェアは54%だった。市場では、この割合が60%に上昇する可能性があるとみている。イタリアは国内の個人投資家からの需要を見込み、今年第1・四半期には電子取引による直接発行を開始する。
ただ財務省の国庫管理担当者は、国内だけで国債を賄うには総発行規模が大きすぎると指摘している。
長期国債の発行には国外投資家の需要も必要になる。ただ長期金利は短期金利ほど低下しておらず、10年債利回りは6.40%程度で、3年債よりも2%ポイント高く、危機水準とされる7%にも近い。
シティもリポートで、月末のクーポン年債入札が重要と指摘する。
1月30日には5・10年債の入札を行う。この国債の発行日となる2月1日には、260億ユーロ近くの利付国債と100億ユーロ程度のクーポンが償還を迎える。
イタリアは10月中旬以降は10年以上の国債を発行していない。市場関係者によると、ECBの債券買い入れで10年以上のものは対象となっておらず、ECBの買い入れがイタリア国債入札の需要を間接的に支えている。
1月は事実上、償還を迎える国債はなく、イタリアは事前の調達を進めているもよう。インテサによると1月の発行額は23日からの週に発行する短期債、ゼロクーポン債、インフレ連動債を含め390億ユーロに上る。
財務省当局者は17日、イタリアは今年上期に、期間3年までの短期債、コマーシャルペーパー(CP)、債券の発行を拡大するとの意向を示した。
2―4月の借り換え需要は今年償還を迎える中長期債の45%を占めるが、5・6月の償還は低水準となる。
ただ国債の平均償還期7年を大幅に縮めることはリスクを高める。S&Pはすでにこのリスクは信用上の強さを弱めることになると警告しており、財務省もこの危険性を認識している。
(Valentina Za 記者;翻訳 村山圭一郎;編集 田中志保)

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