1月23日、1月ロイター企業調査によると、欧州財政危機を受けて、製造業では65%の企業がユーロの崩壊・分裂への対応プランが必要だと認識していることが明らかとなった。写真は欧州委員会本部で2010年撮影(2012年 ロイター/Thierry Roge)
[東京 23日 ロイター] 1月ロイター企業調査によると、欧州財政危機を受けて、製造業では65%の企業がユーロの崩壊・分裂への対応プランが必要だと認識していることが明らかとなった。欧州では今年事業見直しを検討する製造業の9割が、縮小方向で見直す。
北米や中国でも過半数が縮小する。国内事業は製造業の大半が縮小方向で見直す一方、非製造業は復興需要への期待で過半数が拡大、さらに、中国やその他アジアで8─9割の企業が拡大傾向となる。
この調査はロイター短観と同じ企業400社を対象に同時に実施しており、今回の回答期間は1月5日─1月17日。
<ユーロ分裂・崩壊への対応プラン、製造業の過半数が「必要」>
欧州財政危機の混乱が、海外事業を展開する日本の製造業をユーロ分裂・崩壊への備えにかき立てている。製造業の65%がそうした動きへの対応プランが必要との認識を示し、すでに作成済みないし策定中との回答も7%あった。
今年、最も懸念しているリスク要因を訪ねたところ、製造業、非製造業ともに最も多かったのは、世界景気の減速で全体の68%の企業が挙げた。 次いで円高が57%となった。特に製造業ではこの2つが突出している。欧州財政危機による金融環境の悪化は半数以下で41%、そのほか復興計画の遅れや電力不足問題、国内政治の停滞などはいずれも3─4割程度だった。
<国内と欧州、大半が縮小>
世界経済の減速傾向が、今年の企業の事業計画の見直しを促している。製造業では国内事業の見直しが66%にのぼる。そのうち8割程度が縮小を検討している。復興需要が本格化する年でありながら、需要取り込みへの事業拡大は極めて限定的となりそうだ。
財政危機の震源地の欧州では、事業の見直しを検討している企業のうち、9割が縮小方向と回答。影響は他地域にも及ぶ。北米事業の見直しを挙げた企業では、米国景気に底堅さがうかがえることもあって、欧州ほどではないが6割が縮小方向となった。これまで日本企業が最も事業拡大に力を入れてきた中国では、見直しが50%にのぼり、うち6割以上が縮小と回答している。
事業拡大が検討されているのは、中国以外のアジア地域。半数が事業見直しを検討するなか、52%が拡大を検討しており、縮小をやや上回る。オイルマネーがあふれている中近東ではそもそも事業を展開している企業数が少なく、鉄鋼・非鉄と電機の数社に限定されるが、どちらかというと拡大方向となった。専門家は「今年は各地域とも不透明感が強い一方で、ここ数年、先進国の金融危機の裏側で供給された大量のマネーが蓄積している中近東しか、期待できる地域がない」と分析している。
<非製造業は、アジア拡大意欲が国内上回る>
非製造業は、製造業とは異なる動きとなっている。今年は大震災からの復旧復興の動きが本格化、国内事業の拡大傾向は過半数の60%となった。しかし、中国やその他アジア諸国での事業拡大が8割から9割を占めているのに比べると、やや力不足。国内市場は復興需要という特殊要因はあるものの、成長への期待が持てず、中長期的な観点からみれば、やはり今年もアジアへの進出に力を傾けるとの判断が働いているとみられる。(ロイターニュース 中川泉;編集 山川薫)
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