6月3日、ユーロ圏債務危機が深刻化し、世界各国で失望を誘う経済指標が発表される中、米企業の収益見通しが急速に低下している。ロサンゼルスの港で5月撮影(2012年 ロイター/David McNew)
[ニューヨーク 3日 ロイター] ユーロ圏債務危機が深刻化し、世界各国で失望を誘う経済指標が発表される中、米企業の収益見通しが急速に低下している。
トムソン・ロイターのデータによると、S&P総合500種指数採用企業の第2・四半期の利益見通しは現在、7.4%増と、1月時点の10.1%増から悪化している。
しかし「収益マシーン」であるアップルと、比較対象の前年同期が弱かった金融セクター<.GSPF>を除いて計算すると0.9%の減益と、見通しがさらに悪くなる。
S&P500種の大半のセクターで、1月に比べて見通しが低下している。エネルギー、原材料、公益の各セクターは前年同期比で減益、通信と医療はほぼ横ばいと予想されている。
ベル・エアー・インベストメント・アドバイザーズのマネジングディレクター、ケネス・ナエフ氏は「収益予想の責任者は今、世界経済について心配しなければならない。市場に恐怖心が根を下ろしている」と話した。
先週末の1日に発表された指標では、米国の雇用の伸びが急減速し、中国の製造業生産は横ばいで、欧州の製造業生産はますます病状を悪化させている様子がうかがえた。
S&Pのデータによると、500社の売上高の約47%は海外に由来し、14%強は欧州からのものだ。
1日のダウ工業株30種<.DJI>は年初水準を割り込んで終わり、S&P500種は年初来の上昇分をほぼ吐き出した。S&Pは第1・四半期末時点では12%上昇していた。
<エネルギー、資源株が下落>
中国と欧州の需要減によりコモディティー価格、ひいては生産者が打撃を受けている。米原油価格は1日の週に8.4%下落し、週間の下落は5週連続となった。
金融セクターは前年同月が悪かったため、利益が増加する見通しだ。昨年第2・四半期はモーゲージ担保証券(MBS)投資家による訴訟で和解金を支払ったことが主因となり、29%もの減益となっていた。
しかし金融機関の収益見通しもやはり悪化している。JPモルガン・チェースが信用デリバティブ取引で最低20億ドルの損失を出したことが明らかになったからだ。
<売上高の伸びも減速>
今後数四半期の見通しも悪化している。トムソン・ロイターのデータによると、第3・四半期のS&P500社の利益見通しはわずか4.7%増と、1月時点の6.6%増から下方修正された。
売上高の伸びも減速している。第1・四半期の500社の売上高は5%増にとどまり、それ以前の4四半期の平均9.7%増を下回った。第2・四半期にはさらに2.5%に鈍化する見通しだ。
しかもトムソン・ロイターのデータによると、第2・四半期の利益について悪化見通しを示した企業数と改善見通しを示した企業数の比率はおよそ3.4対1で、2008年第4・四半期以来で最悪となった。
ビスポーク・インベストメント・グループによると、より幅広い企業を見渡しても、傾向は同じだ。S&P1500種指数採用企業について、アナリストが過去4週間中に収益見通しを引き上げたのは424社だったのに対し、引き下げたのは598社に上った。
しかし一部の株式アナリストは強気の見通しを崩しておらず、見通しが下方修正され過ぎたため実績の方が上回る可能性が出てきたと指摘する。
実際、第1・四半期にはS&P500社のうち67%がアナリストの利益見通しを上回った。この比率は長期平均の62%を上回る。第1・四半期は8.1%の増益だったが、直前の予想は3.2%の増益となっていた。
T3・エクイティ・ラブズの創設者マイク・ジャクソン氏は「アナリストは常に悪いニュースに過剰反応を示すし、マクロ経済面のノイズがかなり大きくなっている。私の直感では、利益は予想を(上方向に)裏切り続けそうだ」と述べた。
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