ヤマダ電機がベスト電を121億円で買収、圧倒的シェアを確保

ロイター編集
ヤマダ電機がベスト電を121億円で買収、圧倒的シェアを確保
7月13日、ヤマダ電機は、ベスト電器の第三者割当増資を引き受け、子会社化すると発表した。写真は都内のヤマダ店で6月撮影(2012年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 13日 ロイター] ヤマダ電機<9831.T>は13日、ベスト電器<8175.T>の第三者割当増資を引き受け、子会社化すると発表した。株式取得額は121億円。ベスト電器の株式51%を保有する筆頭株主となり、業界では圧倒的なシェアを確保する。売上高は両社合計で2兆円規模となる。
両社は、商品・資材の共同調達を行うほか、国内外で効率的な店舗展開を進め、グループ全体の競争力を強化する。ベストの上場は維持する。
山田昇・ヤマダ電機会長は会見で「買収にリスクはない。双方にとってマイナスはない」と述べた。
ヤマダによると、現在のシェアは25%程度。山田会長は「売上高規模にはこだわらないが、シェアにはこだわる」と述べ、ベストの買収により、時間をかけずに、圧倒的なシェアを確保することができるメリットを強調した。
一方のベストは、ビックカメラ<3048.T>が15%を保有して資本・業務提携を結んでいたものの、なかなか効果を上げられなかった。ベストの小野浩司社長は「15%の保有にとどまったことで、経営に深みが出ず、業績に反映できなかった」と振り返り、「今回は51%を保有してくれるため、効果が発揮できる。企業価値を高めることができると確信した」と述べた。
小野社長は「ビックカメラには業務資本提携の解消を申し入れている」ことを明らかにした。
ビックカメラとベストの提携については、共同開発商品の販売とベストの2店舗をビックカメラが運営するにとどまっていた。家電量販店で最も効果が高いであろう商品の仕入れについては「業務提携だったため別々」(ベスト電器関係者)という。
第三者割当増資でベスト電器が発行するのは普通株式8026万5500株で、現在の発行済み株式総数に対して88.87%の希薄化が生じる。発行価格は1株151円。8月20日から12月31日までに払い込みを行う予定。独占禁止法に基づく公正取引委員会の承認が条件となる。
株式公開買い付け(TOB)ではなく、第三者割当増資を選んだ理由について、小野社長は「有利子負債も減って、成長投資がしたかったができなかった。ニューマネーで投資をするために、第三者割当増資にした」と説明した。
増資の引き受けにより、ヤマダ電機によるベスト電器の持ち株比率は、現行の7.45%(議決権割合7.50%)から51.00%(同51.16%)に高まる。一方、筆頭株主だったビックカメラの保有比率は15.03%から7.95%に低下する。
ヤマダ電機は、地域密着型の店舗展開を得意とするベスト電器を傘下に収めることで、スケールメリットの拡大が見込めるほか、国内外できめ細かい店舗展開が可能になるとみている。具体的には、商品や資材の共同調達、顧客ニーズにマッチした商品の共同開発などに取り組む方針。ベストの従業員については「ヤマダ電機は事業領域を拡大しており、人は不足している。人を減らすことはない」とし、雇用は維持する考えを示した。
ベストは6月末現在、インドネシアやシンガポールなどに59店舗を展開している。山田会長は「ベストは郊外型。そこにヤマダが都心型で出店すれば、相乗効果が見込める」と述べ、現在出店している中国以外での出店も効果を及ぼしそうだ。
家電量販店業界では、6月にビックカメラがコジマ<7513.T>を子会社化し、業界2位に躍り出たばかり。業界は、2年連続で市場が縮小するなど厳しい環境にさらされている。山田会長は「業界の縮小が続くと、ナショナルチェーンの再編はまだ起こる」との見通しを示した。
(ロイターニュース 清水律子 大林優香;編集 宮崎亜巳)
*内容を追加して再送します。

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