首相「代表選後も3党合意尊重」、他候補は早期解散に慎重

ロイター編集
首相「代表選後も3党合意尊重」、他候補は早期解散に慎重
9月10日、民主党代表選挙の立候補者4人が共同記者会見し、野田首相は切れ目ない対策で経済再生に取り組む考えを示した上で、社会保障と税の一体改革について3党合意を尊重する考えを明確にした(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)
[東京 10日 ロイター] 10日告示された民主党代表選挙の立候補者4人が共同記者会見し、野田佳彦首相は切れ目ない対策で経済再生に取り組む考えを示した上で、社会保障と税の一体改革について3党合意を尊重する考えを明確にした。
これに対して、原口一博元総務相は「3党協議の土台は崩れている」との見方を示した。
解散時期について野田首相は「近いうちにはそれ以上でもそれ以下でもない」と従来の発言を繰り返したが、赤松広隆元農相、原口元総務相、鹿野道彦前農相は、早期解散に否定的な見解を示した。
<3党合意に否定的な原口氏、野田・赤松・鹿野氏は尊重>
野田首相は、自民党の谷垣禎一総裁がこの日、同党の総裁選挙への立候補を見送ったことについて「驚いている」とした上で、一体改革をめぐる3党合意は重たいとし、「民主代表選・自民総裁選の後も3党合意は尊重しながら、残された検討課題にさらに知恵をしぼるべきだ」との考えを示した。
これに対し原口氏は、首相問責決議が可決された以上「3党協議の土台は崩れている」と否定的な見方を示したが、赤松氏と鹿野氏は合意が維持されるとの認識を示した。赤松氏は「次に誰が代表になっても継承される」と述べ、鹿野氏は「公党間の約束で、順守していかなければならない」と述べた。
また、近いうちに信を問うとした解散時期について首相は「近いうちにはそれ以上でもそれ以下でもない。解散時期は明示してはいけない」と述べた。
これに対し、「近いうち」の合意について赤松氏は「2人で話し合われたことで、あずかり知らない。両当事者がいなくなる以上、何も拘束されない」と述べた。原口氏や鹿野氏は、信を問う前にやるべきことがあると強調。「解散については、まず一票の格差(是正だ)。さらなる定数是正にまい進すべきだ」(原口氏)、「いま解散すれば政治空白になる。最高裁の違憲状態を一刻も早く解消しなければならない。特例公債もきちんと成立させなければならない。信を問う前にやるべきことが多々ある」(鹿野氏)とした。
<エネルギー政策、今週中に政府としての方向性>
中長期のエネルギー政策では、野田首相が「2030年代に原発ゼロ」を目指すとした党の提言を「重く受け止めて対応していかなければならない」としながらも、脱原発依存時期の明言を避けたのに対し、赤松氏、原口氏、鹿野氏はそろって提言を尊重する考えを示した。赤松氏は「党の提言は最低限の目標であって、できるだけ前倒しすべきだ」とし、鹿野氏は「党の方針に向かって進んでいきたい」と語った。原口氏は、赤松氏の意見に近いと同調したうえで、原子力規制委員会人事は見直し、完全に原発村からフリーの人を充てる考え表明した。
野田首相は原発などエネルギー政策について、党の提言も踏まえ、今週中に政府としての方向性を決めていきたいと語った。
<維新の会、赤松氏と原口氏は距離>
国政への進出を目指す維新の会との連携について野田首相は、「維新の会が公党になったときの政策を見極めていきたい」とし、どの政党でもそうだが、方向性で一致できるものは連携が可能だとの見解を示した。
これに対して、赤松氏と原口氏は距離を置いた。赤松氏は消費税を全額地方消費税とする橋下氏の考え方に地方自治体の財政格差を広げる結果になると反論したほか、国会議員の定数半減など、現実的に対応しなければならない政党の責任ある立場で発言できる内容ではないとし「子供の政党だ」と一蹴。原口氏は「橋下さんは盟友だが、私はTPP(環太平洋連携協定)には反対だ。橋下さんには地域主権戦略会議で頑張って欲しいと思う。しかし、弱肉強食型の新自由主義とは明確に決別を宣言している」と述べた。
鹿野氏は政策の内容を把握していないとしたうえで「地域主権を進めていくことは共通認識だ」と語った。
<首相「切れ目ない経済対策行う」>
野田首相はまた、代表選に臨む自身の政見として日本を立て直す4つの柱を打ち出したことに触れ、その第1の柱である経済再生に関して「緊張感をもって切れ目のない対策を行い、デフレ脱却を1日も早く実現したい」との考えを示した。日本再生戦略がその前提になるとし、こうした戦略の下でデフレ脱却に向けた取り組みを進めたいと語った。
(ロイター日本語ニュース 石田仁志、吉川裕子;編集 内田慎一)
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