[東京 11日 ロイター] 11日の東京株式市場で日経平均<.N225>が2月22日以来、約1カ月半ぶりに節目の9500円を割り込んだ。欧州債務問題と米景気の先行き懸念から海外市場で株安が進展、円高も加わり日本株は下落に歯止めがかからない。ただテクニカルアナリストは急ピッチの上昇に対する反動安との認識で一致している。下値は9200―9300円がサポートラインになるとの見方が多い。
日経平均は3月27日の高値(1万0255円)からきょうの安値(9388円)まで約867円、率にして8.5%の下落となり、チャートは大きく崩れた形になっている。しかし、昨年11月25日安値(8135円)から2120円もの大幅上昇を記録したことを考えれば、強気相場が終えんしたとは言い切れない。
野村証券シニアテクニカルアナリストの山内正一郎氏は、直近の上昇相場がスタートした1月16日安値(8352円)から3月27日高値(1万0255円)までの上げ幅に対する半値押しの9300円を下値メドとみている。上昇中の75日移動平均線(9261円19銭=10日現在)が今後9300円程度まで上昇するのもサポートになるという。「すでに値幅調整は進展した。外部要因によるショック安がなければ、差し当たり25日移動平均線が位置する9900円近辺までのリバウンドが見込める。25日線を抜ければ1万円トライが視野に入る」と同氏は話している。
一目均衡表分析の第一人者であるSMBC日興証券チーフテクニカルアナリストの吉野豊氏は、独自の値幅観測論から当面の下値を9365円と試算している。これは2011年10月28日の終値ベースの高値9050円から11月25日の同安値8160円までの下げ幅を3月27日高値(1万0255円)から同値幅差し引いて計算される。
さらに昨年11月25日終値ベースの安値(8160円)から3月27日高値(1万0255円)までの上げ幅の半値押しとなる9207円も下値メドになるという。「逆三尊型の底入れパターンでは8720円という計算値も出るが、現時点ではメインシナリオではない。現状は中期上昇相場の過程での調整であり、年末には1万2000円まで上昇する可能性がある」と強気姿勢を崩していない。
エリオット波動分析の専門家である三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフテクニカルアナリストの宮田直彦氏は、「9500円を割り込んだことで、現在の調整を1月16日安値8352円からスタートしたエリオット波動の上昇第3波に対する第4波の調整局面とみるのは困難になった」という。今回の調整は、昨年11月安値(8135円)から今年3月高値(1万0255円)までの上昇第1波に対する第2波の調整と読むのが適当と指摘。第2波の下値メドは、第1波の上昇幅に対する38.2%から61.8%押しの9445―8945円でボトム形成となると予測している。
宮田氏は「すでに底値圏のレンジに入っているが、当面は25日移動平均線との7%かい離に当たる9200円近辺が下値メドとなりそうだ。日柄的には今来週中に底入れが予想される」とみている。仮に9000円で底入れした場合、第3波の上昇波は大きな上昇波となり来年前半まで続くと予想。上値のメドは、昨年11月安値(8135円)から今年3月高値(1万0255円)までの上昇幅2120円の黄金分割比1.618倍を9000円から加算した1万2430円が計算できるとしている。
にわかに再燃した欧州債務問題や米経済指標の悪化などで市場には弱気ムードも漂うが、テクニカルアナリストらは今回の調整を絶好の押し目と捉えているようだ。
(ロイターニュース 河口浩一;編集 伊賀大記)
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