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コラム:来年の米大統領選、共和党勝利を裏付ける2つの根拠

コラム:来年の米大統領選、共和党勝利を裏付ける2つの根拠
 10月14日、結果に影響するいくつかの変数に基づき、おなじみのやり方で分析すれば、2016年の大統領選では共和党が勝利し、17年に同党の大統領が就任すると言い切ることができる。写真は13日、ラスベガスで行われた民主党候補の討論会(2015年 ロイター/Lucy Nicholson)
Clifford Young and Julia Clark
[14日 ロイター] - 選挙は立候補者や有権者の気まぐれに左右される不可思議なイベントではない。結果に影響するいくつかの変数に基づき、おなじみのやり方で分析すれば、実際には非常に予測可能性が高くなる。
だからわれわれは相当な自信を持って、2016年の大統領選では共和党が勝利し、17年に同党の大統領が就任すると言い切ることができる。
こうした結論はわれわれが開発したデータ分析モデルに基づいており、主に2つの要素で成り立っている。いずれも現職の後継候補が直面する試練に関係したものだ。
共和党が勝つという第1の根拠は、現職候補が出馬しない場合、有権者は現職が属する政党に背を向ける傾向があるという点。事実、現職の後継候補の場合、敗北の確率は3倍も膨らむ。
第2の根拠は、オバマ大統領の支持率は後継候補に勝利をもたらすにはあまりにも低過ぎることだ。
なぜこれほど確信があるかといえるのか。特に足元の世論調査では、民主党候補指名で最有力視されるヒラリー・クリントン前国務長官が、ほとんどの共和党候補を支持率で上回っているというのに。その答えは単純で、われわれは世論調査でなく、モデルに依拠しているからにほかならない。
選挙戦の現段階で、世論調査は来年11月の選挙でだれに投票するかとの質問を提示しているが、これは非常に誤った結論につながりやすい。選挙当日の現実の結果と公表された世論調査の支持率は平均で8%ポイントのかい離が存在する。得票率でわずか2─3%ポイントが勝敗を分ける選挙で、この差は極めて大きい。
モデルによって結論を下すという考え方には、複雑さは見当たらない。過去のデータを点検し、一定のパターンを抽出した上でそうしたパターンを使って予想するのだ。
というわけでわれわれは過去の米大統領選のデータ集計から出発するのだが、早速問題にぶつかる。たとえ100年遡ってもデータが入手できる選挙は25回と決して多くない。
そこでわれわれは、米国以外の世界中の民主国家の大統領選挙や議会選挙にまでデータベースの範囲を拡大した。これによって35カ国から450を超える選挙の事例を得ることができた。
われわれのモデルにおける最も重大な発見は、現職の強さだ。現職が出馬する場合、落選よりも再選の確率はずっと大きい。当モデルに基づくと、現職の勝利確率は3倍だ。現職でなくその後継候補(今回なら民主党)が出馬すると敗北確率が3倍になる。
また世界中の選挙結果から分析したところ、その国の政府に対する国民の評価を知ることも重要だと分かった。評価を判断する指標はいくつかあるが、最も一般的(われわれが使う理由でもある)なのは現職の指導者、ないし大統領の支持率だろう。
こうした支持率の影響力を、われわれのモデルは証明している。後継候補が当選する確率が50%を上回るためには、現職の支持率が55%を上回らなければならないのだ。オバマ氏の今の支持率は45%なので、民主党の後継候補は当選よりも落選の確率が大きくなる。
このモデルは候補者でなく政党を基準としており、政党間の権力移動の確率しか見込まない。また予測はおおむね正確だが、百発百中というわけにもいかない。予測を狂わせる可能性がある要素として、例えばオバマ氏の支持率が急激に変化したり、投票率が異常に高くなったり低くなる事態(それは想定外の候補者乱入などで起きるかもしれない)が挙げられる。
今後オバマ氏の支持率が上向くことはあるだろう。だが、支持率が55%を上回らなければ、民主党が大統領の椅子に座り続けることはできない。大統領の支持率は次第に低下していくのが普通で、オバマ氏とてその例外ではない以上、55%を超える公算は極めて小さい。
ヒラリー・クリントン氏は特別な存在で、彼女の人気からすれば勝利の確率はずっと高くなるし、ビル・クリントン元大統領の「遺産」を継いでいる点を考えると現職と同等にみなされる、と主張する向きも出てくるだろう。
それでもこうした仮説を取り入れてわれわれがモデルで分析しても、オバマ氏の今の支持率ではヒラリー・クリントン氏の勝利する確率は50%に届かない。
民主党が大統領の椅子を手放さないために乗り越えるべき山はかなり高い。
*筆者のクリフォード・ヤングはイプソス・パブリック・アフェアーズ社長、ジュリア・クラークは無党派の政治・選挙分析専門家でイプソス・パブリック・アフェアーズのシニアバイスプレジデント。
*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
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筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。