[31日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は31日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、4月と5月初旬の経済活動は全体としてほとんど変化が見られず、近い将来の企業見通しは以前よりやや悪化したとみられると指摘した。
労働市場については、ほとんどの地区で雇用が増加したものの、増加ペースはこれまでより緩やかだったと指摘。物価については、報告期間中に緩やかに上昇したが、多くの地区で上昇ペースが鈍化したとした。
今回の報告は5月22日までに12の連銀地区で実施された調査やインタビューの情報に基づいている。「調査先は引き続き経済活動のさらなる拡大を予想しているものの、将来の成長に対する期待は少し悪化した」と記した。
各地区の調査先は労働市場は引き続き好調ながら「いくらか冷え込んだ」とし、一部地区の企業は需要や見通しが弱く、経済の先行きが不透明なため採用を一時停止したり、人員を削減したりしていると報告した。
多くの地区がインフレのペースが鈍化し、物価が「緩やかに」上昇していると指摘。大部分の地区で調査先は今後数カ月の物価上昇のペースは同じ程度になると予想した。
FRBは5月2─3日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を10会合連続で引き上げて5.00─5.25%に決めた。利上げを終了するか、終わりが近い可能性を示唆した。
5月のFOMC後、経済指標は予想よりおおむね好調で、失業率は3.4%と数十年ぶりの低水準となった。FRBが重視している指標のインフレ率は4.4%と、FRB目標の2倍を超えている。
しかしFRB政策立案者の多くは、金融引き締めをさらに進める前に待つ可能性を示唆している。インフレ率は依然高過ぎるものの、これまでの利上げの影響が経済に十分波及しておらず、3月の銀行破綻による信用収縮の度合いを測定するのは難しいとしている。
今回の報告でも、金融情勢は国内の大部分の地区で「安定しているか、いくらか引き締まっている」とした。
FRBの政策立案者は、信用の状況は金融政策を策定するための試算で重要な情報だと指摘している。
3月に地方銀行のシリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の破綻に端を発した銀行部門のストレスは後退したとみられる。
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