7月13日、米JPモルガン・チェース(JPM)が発表した第2・四半期決算は、巨額のデリバティブ取引に絡む損失が響き、減益となった。写真はジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)。ワシントンで6月撮影(2012年 ロイター/Larry Downing)
[13日 ロイター] 米JPモルガン・チェース(JPM)が13日発表した第2・四半期決算は、デリバティブ取引に絡む巨額損失が響き、減益となった。問題の取引を行った最高投資戦略室(CIO)のトレーディング損失は税引き前で44億ドル。第1・四半期も含めると、損失額は58億ドルとなった。
JPモルガンは、CIOのトレーダーが第1・四半期に損失の大きさを隠そうとした可能性があることも示唆したが、同部門の問題は是正したとの立場を示した。
CIO部門の損失にもかかわらず、第2・四半期決算は堅調なモーゲージ業務などが寄与して黒字となった。純利益は49億6000万ドル(1株当たり1.21ドル)と、前年同期の54億3000万ドル(同1.27ドル)から減少した。
モーゲージなどでデフォルト(債務不履行)や差し押さえが減少していることを受け、貸倒引当金は減少。税引き前利益を21億ドル押し上げた。
CIOのトレーディング損失は税引き前で44億ドル。巨額損失を明らかにした5月10日の時点では、評価損は20億ドルとしていた。
CIO部門のトレーディング損失は税引き後ベースで1株利益を0.69ドル押し下げた。損失はさらに7億─17億ドル拡大する可能性があるという。
JPモルガンは、CIO部門が第1・四半期にデリバティブポジションの価値評価を誤ったため、同四半期の純利益が実際よりも4億5900万ドル多く報告されていたことも明らかにし、同期の財務報告をめぐり内部統制に重大な欠陥があったとの見方を示した。
第1・四半期決算については数週間以内に修正報告を提出する方針とした。
CIOはリスク管理や余剰資金の運用などを担当する部署で、今後はクレジットデリバティブの取引を行わず、保守的な投資に重点を置くとした。問題のポジションは投資銀行部門が引き継ぐ。
ダイモン最高経営責任者(CEO)は声明で「問題の大半は対処済みで、今後、われわれが得意とすることに全エネルギーを注ぐことができる」と述べた。
JPモルガンは、一部のトレーダーが取引ポジションについて故意に誤った報告をした可能性があると指摘した。CIO部門の問題が不適切なリスク管理と市場に関する誤った判断以上のものだった可能性をJPモルガンが示唆するのは初めて。
アナリストはこれについて、規制当局が同行に対する監視を一段と強める可能性があるとの見方を示した。JPモルガンは既に、巨額損失について米連邦捜査局や英金融サービス機構(FSA)、米証券取引委員会(SEC)などの調査を受けている。
JPモルガンの巨額損失問題では、CIO部門のトレーダー、ブルーノ・イクシル氏が「ロンドンのクジラ」と呼ばれるほどまでにポジションを積み上げた。関係筋が13日明らかにしたところによると、同氏は既にJPモルガンを退社している。
CIOを率いたアイナ・ドルー氏も5月に辞任したが、同氏が過去2年間に受け取った報酬の返還を自ら申し出たことをダイモンCEOが明らかにした。ダイモンCEOも報酬を返還する可能性があるという。
13日午後の米国株式市場で同社株は約5.4%(訂正)上昇している。
*最終段落の株価を「約1.8%上昇」から「5.4%上昇」に訂正しました。
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