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コラム

コラム:ネットフリックス、会員数伸び悩みでも前途有望な理由

[ニューヨーク 20日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 動画配信サービス事業が熱気を帯びているというのに、米ネットフリックスはクールダウンしている。同社が20日発表した第1・四半期決算は、新規契約件数が市場予想を下回り、株価は時間外取引で10%以上下落した。コロナ禍が峠を越し、巣ごもりしていた人々が外出するようになった上、競争が激化したからだ。

4月20日、 動画配信サービス事業が熱気を帯びているというのに、米ネットフリックスはクールダウンしている。写真はネットフリックスのロゴ。2020年3月撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)

しかし、同社にはまだ市場シェアを伸ばす余地がたっぷりある。キャッシュの増強と株価下落が相まって、株価収益率(PER)もひところより落ち着いた水準になった。   

第1・四半期の新規有料契約件数は約400万件で、前年同期の約1600万件を大幅に下回った。それでも最近の値上げにより、売上高は24%増えて70億ドルとなっている。

このことは、ネットフリックスが少なくとも一定の価格決定力を持っていることを示している。ウォルト・ディズニー、AT&T、コムキャスト傘下のNBCユニバーサル、バイアコム、ディスカバリーなどが続々と動画配信サービスに乗り出す中でもだ。

これは、人々の習慣を変えることが容易でないことに一因がある。モフテットネイサンソンのまとめによると、米国の動画配信サービス市場においてネットフリックスはシェア73%で首位。アマゾン・ドット・コムが運営する2位のアマゾン・プライム・ビデオを大きく引き離している。

世界を見渡すと、従来型のテレビ市場は推計4000億―4500億ドルの規模があるため、ネットフリックスはまだ多くの視聴者を奪う余地がある。モルガン・スタンレーによると、最も低く見積もった場合、同社は現在この9%にしか食い込んでいない。

より重要な点は、ネットフリックスが昨年1年間を賢く利用してキャッシュを強化したことだ。同社によると3月末のフリー・キャッシュ・フローは6億9200万ドルと、1年前の1億6200万ドルから大幅に増加した。

この資金は「ブリジャートン家」など新たなオリジナル作品の制作費に貢献した。テレビショーや映画作品の獲得競争に備えるための軍資金ともなるだろう。

例えば、ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、ネットフリックスは最近、ソニー・ピクチャーズとの契約やミステリー映画「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」シリーズの権利獲得に約15億ドルを投じた。

過去1年間に売上高が伸びたことは、ネットフリックス株のPERを急低下させる結果になった。20日の時間外取引での株価下落を勘案すると、リフィニティブがまとめた2022年の1株当たり利益予想12.97ドルに基づくPERは約40倍と、2年前の130倍から大きく下がっている。ネットフリックスはクールダウンしてもなお、目が離せない存在だ。

●背景となるニュース

*ネットフリックスは20日、第1・四半期の新規有料契約件数が約400万件で、自社予想を約200万件下回ったと発表した。リフィニティブによると、アナリストの予想平均は620万件だった。世界の総会員数は約2億0800万件。

*第1・四半期の売上高は前年同期比24.2%増の72億ドル。純利益は17億ドルと、前年同期の7億0900万ドルから増加した。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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