6月21日、世界4位のパソコンメーカーであるエイサー幹部のオリバー・アーレンズ氏は、米マイクロソフトが自社開発の端末で米アップルに対抗できる見込みは薄い、との見方を示した。写真はタブレット型多機能端末「サーフェス」を発表するマイクロソフトのスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)。今月18日撮影(2012年 ロイター/David McNew)
[ロンドン 21日 ロイター] 世界4位のパソコン(PC)メーカーである台湾のエイサー<2353.TW>の欧州・中東・アフリカ担当のシニア・バイス・プレジデント、オリバー・アーレンズ氏はインタビューで、米ソフトウエア大手マイクロソフトが自社開発の端末で米アップルに対抗できる見込みは薄く、次世代基本ソフト(OS)「ウインドウズ8」に専念すべきだ、との見方を示した。
マイクロソフトは18日、ウインドウズ8を搭載した自社開発のタブレット型多機能端末「サーフェス」を発売し、アップルや米インターネット検索大手グーグルに戦いを挑む計画を明らかにした。
関係筋によると、PCメーカーはマイクロソフトの計画についてはほとんど知らされておらず、今回の件はマイクロソフトが機器メーカーと密に協力してきた従来の姿勢から大きくかじを切ったことを意味する。
アーレンズ氏は、マイクロソフトはアップルの戦略を部分的にまねようとしているが、成功するとは思えないと指摘。「マイクロソフトは世界で20社以上のPCベンダーと提携している。一方、アップルは単独で、自分のやりたいことがほぼできる。マイクロソフトはPCのシステムの一部だ。非常に重要な部品だが、それでも部品の1つであることに変わりはない」と話した。
同氏はまた、マイクロソフトが今後資源を消費者向けの機器や小売り業務に振り向けるようになり、その過程でウインドウズ8の成功に向けた努力をおろそかにするのではないかとの懸念を表明。「(マイクロソフトは)ウインドウズ8でユーザーエクスペリエンスを強化するのではなく、新たな戦いの場を設けてしまった。これでマイクロソフト社内で焦点がぼやけることになれば、彼らの製品を扱っているわれわれが困る」と語った。
<ロンドン五輪のスポンサー>
エイサー自体も問題を抱えている。昨年はアップルのタブレット型端末「iPad(アイパッド)」の台頭を許すなど市場の変化に適応できなかった。ただ、アーレンズ氏は、同社が現在、正しい軌道に戻りつつあると述べた。同氏は、エイサーにとってウインドウズ8は「非常に重要」で、その発売と絡めてタブレット端末や、高解像度の薄型PC「ウルトラブック」など4─5機種を発売することを明らかにした。
エイサーはロンドン五輪のスポンサーとして来月、スポットライトを浴びることになる。エイサーの英国部門のマネジングディレクター、ニール・マーシャル氏は「採点システムから会場内のITまで、すべてエイサーが担当する。われわれにこういったタイプのプロジェクトを商業的に成功させる能力があることを証明できる」と強調した。
アーレンズ氏はまた、第2・四半期(4─6月期)の欧州・中東・アフリカでの売上高が約50%増えるとの見通しを示した。エイサーの発表によると、第1・四半期はこの地域の売上高が全体の37%を占めた。
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